世界気象機関(WMO)は、2023年の世界の平均気温は産業革命前の基準とされる1850~1900年の平均から1.45度上昇した観測史上最も高い年であり、2024年はさらに高くなる可能性があると発表しました。国連のグテレス事務総長は、「人類の行動が地球を焼き焦がしている」と警告し、地球温暖化の解決に向けた迅速な対応策を呼びかけています。
法政大学屋上緑化維持管理プロジェクトは、例年1月~3月はプロジェクトとしての活動は一休みして秋に植えた球根の生長を楽しみに過ごす時季です。2023年度は、気象庁が2023年12月に発表した暖冬の見通しやプロジェクトメンバーからの声もあり、2024年1月16日(火)、活動拠点の市ケ谷キャンパス「グリーン・テラス」において、プロジェクト第九弾「TREASURE」を開催しました。
法政大学屋上緑化維持管理プロジェクトの活動拠点の「グリーン・テラス」は、2005年春に誕生し、現在では学生・教職員の「憩いの場」から庭園内のひょうたん池には絶滅が危惧されているクロメダカが泳ぎ、樹木や草花が育ち、鳥や蝶を始めとした「生物が生育・生息する空間」へと広がりを見せています。
法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト第九弾「TREASURE」においては、「外濠」地域のビオトープネットワークを意識し、宝物、秘宝、またとない人、最愛の人を始めとした様々な場面で用いられている“TREASURE”をテーマに、平安時代以前に中国から日本へやってきたと言われ、春になると美しい花をつけ、成熟果実を乾燥させたものは生薬として活用されることもある木瓜(世界一、白寿、黒潮、昭和錦)、利益、祝福、富、財産という花言葉と赤い実は縁起物として愛され、乾燥した若い枝葉は抗菌、消炎、去風除湿、活血し止痛の効能があるとされている千両の苗、庭園に春の輝きをもたらす秘宝としてチューリップの球根(環境センター 榎本 直子寄贈)を第七弾「時空 Spacetime」(2023年11月20日開催)から時期をあけて植えて、こだわりが詰まった”法政大学で最愛の庭園を目指しました。
菜園区画には、リコピン、カリウム、ビタミンB6、ビタミンCの量が豊富に含まれるミニトマトや鉄分と鉄分の吸収を助けるビタミンCも豊富、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、ビタミン類や食物繊維も豊富な非常に栄養価の高い野菜の王様のホウレンソウの種をまき、中世時代の春のお祭りに選ばれる女王にちなんだ名前の由来をもつ、大正6年頃に日本に伝来したじゃがいも「メークイン」の種芋を定植しました。
法政大学環境センターが事務局をつとめる「法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト」は、千代田区・新宿区にまたがる「外濠」におけるビオトープネットワークを意識して、「愛校心」がもたらした小さな「出会い」と「行動変容」を積み重ねて「法政大学で最愛の庭園」を目指した取り組みが評価されて、2022年3月に千代田区主催「令和3年度 ちよだ生物多様性大賞」において入賞、2023年2月に新宿区主催「第16回新宿エコワン・グランプリコンテスト」グループ部門・奨励賞を受賞しました。
今年の春には、“こだわりが詰まった”法政大学で最愛の庭園が地域の「自然」とのつながりを持つ「TREASURE」の宝庫となっていることを夢みて春を楽しみにします。