コロナ禍からの再建~学生・教員のために~
GBC(ガラス箱オフィスアワーセンター)
GBCは、教員・相談員・学生(SA)が協働し、学生に「授業や学生生活における困ったことを相談する場」を提供するべく、2009年に情報科学部に設置されSAが中心となり運営してきた。
運営ノウハウは、これまで先輩から後輩へと引き継がれてきたが、コロナ禍でその伝統は途絶えた。コロナがあけ運営を再開したが、来訪者は激減しついにはGBC不要論まで巻き起こった。そこで、抜本的な改革を行いGBCを再構築し、現在はコロナ禍直後の1.5倍の来訪者に対応している。
改革は、SA・担当教員・相談員で議論を重ね、大きく2つの側面から行った。
① 学生のニーズの徹底的な把握と対応
② SAの対応の質の向上を目指す
①の具体的な方策として、アンケートや来訪者データから何が必要かを可視化するアプリを作成し、あらゆるニーズに柔軟に対応して試験や課題対策の勉強会を開催できる仕組みを構築した。
②の具体的な方策として、敬語研修、リーダーシップ研修、プレゼン研修や、SA全員がどんな学生にも対応できるよう内部研修等を行うHRD(Human Resource Development:人材育成)部を設置し対応力の向上を図った。
今回の大改革は、SA・担当教員・相談員の知恵を結集し、来訪者の多様なニーズに寄り添い自分たちにベクトルを向けることで実現した。
多様なニーズを知るために、先生方のフィードバックや来訪者データを分析し、学生や先生方がGBCに対して求めているものを常に考えた。自身や仲間の経験・知識を分析に活かすことで、新たなニーズの発見、組織の再構築に繋げられたことに感動した。
また、SAの対応力向上のための様々な試みを通し、各々が自身を振り返り、新たな課題の発見や他のSAから学ぶ機会を得た。例えば、来訪者対応実習で来訪者役を務めることで来訪者のニーズを理解し各自の課題を発見するとともに、他のSAの良い部分を学ぶ機会にもなった。
このように、皆で知恵を出し合い課題を発見し解決策を見出すプロセスは、知的刺激に富み、やりがいを感じた。この知は、将来社会でも実践できると確信している。
GBCの活動は、SAだけではなく先生方や相談員、信頼して訪れてくれる学生に支えられている。これからも感謝を忘れず困ったときに頼れる場であり続けるために、何が必要かを常に考え、より良いGBCを作るために活動していきたい。
情報科学部のGBCは「授業や勉強方法、簡単な学生生活上の悩みを気軽に相談できる場」として2009年に開設され、不可欠な存在として定着していた。しかし、2020年からのコロナ禍による事実上の活動停止により、利用者数はコロナ前の水準には戻らず、新しく入学してきた学年からのSAの育成もいったん途絶えてしまっていた。そこで、2022年度から始動したGBC再建の取り組みは、あらためて利用者のニーズを把握することから始め、SAの質を向上する取り組みを重ね、恒常的な取り組みにたどり着き、それが再建を支えた。継続の危機に直面したことによって、結果的にGBCの本質を改めて確認し、それを持続させる仕組みが確立された素晴らしい取り組みである。
賞をいただきありがとうございます。私がSAの育成が必要ではないかと提案させていただいた時はまだ学部2年生でした。当然先輩方もいる状況で、人材育成がしたいという提案には「自分自身が研修を受ける立場ではないか」という意見をいただくかなと思いました。でもこの一緒に働くメンバーは、後輩からの意見というよりも、一つの意見としてしっかりと尊重してくださいました。実際にこうして研修制度として形に残すまでサポートいただいて、このチームの環境がすごく大きかったと感じております。
私たちGBCは学内のコミュニケーションの促進についてすごく熱心に取り組んでおります。これはこの情報科学部に限らず、他の学部でも必要なことではないかと考えております。私たちのこの取り組みがモデルケースとなって、他の学部でも取り組んでいける第一歩となればと考えております。本日はありがとうございました。
W受賞ありがとうございます。GBCは本当に色々な人たちが関わっている組織でありまして、学部生、院生、カウンセラーの方々、それから教員、多くの方々に支えられてこの組織を運営しております。それがすごく表れた賞かなと思って皆さんに支えられてこうやって活動できることを、とても嬉しく思います。ありがとうございました。