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卒業生インタビュー:株式会社NTTドコモ サービスデザイン部アプリケーション開発担当 佐々木 千枝さん

  • 2022年01月25日
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プロフィール

佐々木 千枝(Sasaki Chie)さん

1995年東京都生まれ。2014年情報科学部ディジタルメディア学科に入学。2018年3月卒業後、株式会社NTTドコモに入社。サービスデザイン部で企業のイントラネットやウェブサービスの開発・管理などに携わる。

授業にサークルにアルバイト、学生時代の経験はすべて糧になる

入社3年目で、株式会社NTTドコモのスマートフォン新料金プラン「ahamo(アハモ)」のサービス設計の担当に抜てきされた佐々木千枝さん。仕事においては、情報科学部の授業で得た知識はもちろん、課外活動やアルバイトで磨いたコミュニケーション能力が大いに役立っていると言います。

数百万人が目にしたウェブサイトの開発を担当

2021年3月末に提供を開始した「ahamo」は、20代をメインターゲットにしたシンプルなスマホ料金プランで、契約や手続きをウェブサイトのみで完結するのが特徴です。サービスの開発も20代の若手社員を中心に進めることになり、私はウェブサイトの開発を担当しました。

担当が決まった時は、大きなプロジェクトだったので驚き半分うれしさ半分でしたが、入社数年で自分の目線を仕事に生かせる機会はそうないので、楽しんで取り組もうと思いました。情報の分かりやすさや、操作のしやすさについては社内のメンバーや制作会社と議論を重ねました。また、デザインは従来の「ドコモ=赤」のイメージを踏襲せず、20代にアピールするカラフルで躍動感のあるものにしています。その一方で、同じ20代とはいえ、私たちの感覚や意見がそのまま通用するとは限りません。時間が限られる中、インタビューや調査を通じて確認や裏付けを取ったり、ユーザーテストのフィードバックを反映させたりしてブラッシュアップを図りました。

6月末時点のahamoの契約数は約180万件。自分が考えて作ったものがそれだけ多くの人の目に触れ、利用されているのはとてもうれしいです。

ダンスサークル「小金井Groovy(グルービー)」ではハウスダンスに打ち込み、3キャンパスのダンスサークルの合同イベントの運営なども行った(前列右端が佐々木さん)

ダンスサークル「小金井Groovy(グルービー)」ではハウスダンスに打ち込み、3キャンパスのダンスサークルの合同イベントの運営なども行った(前列右端が佐々木さん)

多くの知識と経験を得られた情報科学部での学び

高校生の時、好きなアーティストのライブで、ボタンで操作するイメージしかなかった音響や照明をプログラムでコントロールできると知り、興味が湧きました。そのため、エンターテインメントに活用されるセンサーなどについて学びたいと考え、情報科学部ディジタルメディア学科に進学しました。

情報科学部の授業で面白かったのが、研究室の体験入門のような「情報科学プロジェクト」です。例えば、「自走式掃除機のプログラミング」というテーマで、1〜3年生がそれぞれの興味とレベルに応じたものを半年間かけて仕上げます。私は前進させるのが精いっぱいでしたが、サポートしてくれた大学院生は3台の掃除機で三重奏のように音を鳴らしていて、驚きました。

4年次は廣津登志夫教授の研究室で、センサーを利用して、踊ったダンスが音楽と同期しているかどうかを確認できるプログラムに取り組みました。

就職に際しては、プログラミングそのものに携わるのではなく、専門知識を生かしてサービスの創出や提供に関わる仕事をしたいと考えました。自分でプログラムを書き、物を動かす経験ができた情報科学部の学びは、さまざまな場面で私の強みとなっています。

小金井キャンパス西館1階にあるガラス箱オフィスセンター(GBC)。佐々木さんは在学時にGBCの学生アシスタントとして活動していた

小金井キャンパス西館1階にあるガラス箱オフィスセンター(GBC)。佐々木さんは在学時にGBCの学生アシスタントとして活動していた

知らぬ間に社会勉強もしていた課外活動とアルバイト

学生時代は、何にでもチャレンジできる期間だと思います。授業と課題で十分忙しい中、それだけで終わるのはもったいない気がして、ダンスサークルにアルバイトにと、毎日朝から晩まで忙しく過ごしていました。

もう一つ、私の大学生活をより実り多きものにしてくれたのが、情報科学部「ガラス箱オフィスアワーセンター(GBC)※」の活動です。学生アシスタントは、学生の相談に乗るというよりは、一緒に考えるという存在で、先生方と話せる機会も多く、人と話すことでさまざまな考え方に触れられ、悩みは一人で抱え込むより話した方が解決策を見つけやすいことを学びました。

先生と学生が集うイベントを開催することもあり、企画からパンフレット作り、参加の呼び掛け、買い出しまで、何が必要かを自分で考えて行動しました。今振り返ると、規模は小さいけれど会社の仕事に通じるものがあったと思います。アパレル量販店のアルバイトでは、開店前の品出しという表から見えない作業があって、そこにも工夫の余地があると知ったり、サークルで会計を担当して、組織の運営に携わったり、意識はしていませんでしたが、課外活動が社会勉強にもなっていました。

仕事をうまく進めるにはコミュニケーション能力が大切

現在の部署の仕事は、社内外の多くの人と一緒に進めていく仕事が多く、コミュニケーション能力が求められます。その点では、学生時代にアルバイトで見知らぬお客さんに接した経験、GBCで人の話に耳を傾けた経験がとても役立っています。

今回のプロジェクトでは、多くの会議で進行役を務めました。次回に持ち越さずに、できるだけ大きな成果を上げられるように、事前に部署内の人に自分の考えを話して、矛盾やブレがないかを確認し、会議では説得力を高めるために「自分の言葉」で気持ちを込めて伝えることを意識しました。

将来的には音響や照明に関わる仕事にもチャレンジしてみたいですが、業務の幅が広いところに引かれてこの会社に入ったので、まずは与えられた仕事一つひとつに一生懸命取り組み、サービス開発の経験を積み重ねていきたいと思います。

※ガラス箱オフィスアワーセンター(GBC): 教員と学生アシスタントが学生の相談に乗ったり、勉強会を開いたりするフリースペース。2009年度に開設、2019年度「自由を生き抜く実践知大賞」を受賞

 

(初出:広報誌『法政』2021年11・12月号)