2024年4月、法政大学は、行動バイアスをのりこえて、健康的に、地球環境問題の解決を目指した「法政大学の掟」をリニューアルします。法政大学環境センターは、四万人近い学生の意識に働きかけて環境配慮行動を促すために、2019年度から法政大学EMS運用管理アンケート調査結果から環境目的・目標の達成の妨げとなる環境マネジメントプログラムとは異なる行動を特定し、地球環境問題の解決の妨げとなる行動バイアスの原因を分析しています。
世界気象機関(WMO)は、2023年度は世界の平均気温は産業革命前の基準とされる1850~1900年の平均から1.45度上昇した観測史上最も高い年であり、2024年はさらに高くなる可能性があると予測しています。国連のグテレス事務総長は、「人類の行動が地球を焼き焦がしている」と警告し、地球温暖化の解決に向けた迅速な対応策を呼びかけています。
まず、快適に、健康的な節電キャンパスライフを目指す法政大学の掟においては、このまま気温が上昇しつづけた場合に予想される気候変動の影響と緩和、適応策の必要性を踏まえて、法政大学EMS運用管理アンケート調査結果から行動バイアスとなりうる「個室ではなく、共用の部屋」における空調利用、照明、空調のスイッチOFF、「専有ではなく、共有の機器」の待機電力のカットの方法について、えこぴょんやその仲間の生物から「法政大学の掟」としてお伝えします。
また、「荷物が多い」、「体力」を始めとした負担感から「(階段の方が)時間がかかる」という思い込みによる行動バイアスをのりこえるために、階段もしくはエレベータを利用した場合に要する時間や荷物が軽い時には「目指す山を登る時の力試し」ととらえると、健康増進とエネルギー削減を同時に目指して「未来に続く階段」を楽しみながら利用できるのではないかと考えます。
続いて、我々が暮らす「かけがえのない地球」においては、地球温暖化等の影響によって森林を含む陸域、淡水及び海洋にすむ多くの生物の生息域や季節的活動、移動パターン、生息数及び生物種間の相互作用を変移させていると言われています。
紙資源削減に向けた法政大学の掟においては、用紙の両面利用、裏面の活用、ミスプリントの削減を始めとした環境マネジメントプログラムの中から、最も用紙の削減効果が見込まれる紙資料の電子化を目指す上での虎の巻として、電子化の実践例と実践方法をベストプラクティスとしてご紹介します。更には、紙資料は、電子化されたファイルよりも使い勝手が良いという思い込みによる行動バイアスをのりこえるために、資料を電子化する際のポイントや電子化されたファイルの活用方法についても虎の巻としてお伝えします。
自然とのつながりを意識して、廃棄物削減を目指す法政大学の掟においては、キャンパスにおける排出量の多い紙類や飲食に関連した廃棄物について、紛らわしい分別廃棄の運用基準や教育研究編、飲食編ごとに廃棄物の特徴、削減難易度、分別難易度を示して、廃棄物削減に向けた虎の巻としてご紹介します。
例えば、何処でどのように何を飲食するかはライフスタイルによるところが大きいです。2023年6月に開催した環境月間特別企画「えこぴょんと海の豊かさを守る大作戦」からは、「おやつを食べることを控える」という行動変容から容器包装から発生する廃棄物削減に加えて、節約、健康的な食生活を心掛けるといった副次的な効果も期待されました。
本学においては、「えこぴょん」や森林や海で暮らす生物から地球温暖化の防止、廃棄物削減、紙資源削減を始めとした地球環境問題の解決を目指す上での心構えと実践例を示した「法政大学の掟」が、これまで以上に、教育研究・大学生活を充実させながら、活動シーンにあわせて、健康的に、地球環境問題の解決を目指した取組に楽しみながら参加していただくきっかけとなればと願います。