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【2023年度(第7回)自由を生き抜く実践知大賞】進取の気象でチャレンジ賞「含昆虫食品の開発・販売と考察」紹介

  • 2024年03月04日
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受賞名

進取の気象でチャレンジ賞

受賞取組

含昆虫食品の開発・販売と考察

実践主体

法政大学国際高等学校 エコアクションプロジェクト

取り組み内容

国際校有志団体エコアクションプロジェクトが行う、昆虫食の開発を通じた高校生なりの食料危機への対応を志すプロジェクトである。2021年度末から継続して、コオロギ粉を使用したクッキーや天ぷら粉の開発を生徒が中心となって進めている。東京農大や同大発ベンチャーの協力を経てクッキーを商品化した。
①高校生による昆虫食の開発。主用原料の配合や形状、サイズは独自考案。クッキーという品目選択も生徒がした他、添加物についても知識を得るためにメンバーで学習した。試作及び試食も回数を重ねた。
②パッケージデザインもオリジナルで作成した。
③様々な団体と連携。東京農業大学やうつせみテクノ(株)などと緊密に連携し商品開発した。企画書作成やプレゼンのスキル、コミュニケーションスキルを身につける。
④独自の販路開拓。法政国際高校オレンジ祭での販売を実現した他、東京農業大学での販売も計画中。
⑤テレビ取材を受け、社会に広く活動を発信。それにより得られた反応を活動に活かす。
⑥先代のメンバーからプロジェクトを継承し、プロジェクト開始時の目標であった「自分達の商品を実際に販売する」を実現。活動を学年を超え継続させた。

実施しての感想

先代のメンバーが中心となって始めた企画を我々が受け継ぎ、成果を残すことができた。種類に関わらず有志プロジェクトの次世代への継承が困難を伴うことが多い中で、画期的なことだと言える。
協力していただいている東京農業大学などとのやり取りを特に重視している。「相手方が読みやすい資料作り」「相手方への一方的な要望は避ける」など、商品開発に留まらない、社会で活動するためのスキルやマナーを学ぶきっかけともなった。
商品を販売し、報道されたことによって、様々なリアクションを受けることになった。学内では肯定的意見を見聞きすることが多かった。一方、ネットニュース等では否定的なコメントが多く、昆虫に対するマイナスイメージや安全性に対する懸念など様々であった。多くの否定的なコメントについては反論や説得の余地があるものではある。しかしながら、我々の活動がこれまで商品化一筋だったこともあり、昆虫を食することそのものに対する研究や啓発が足りない部分もあったと考えている。自分達の活動を批判的な目線で振り返り、自分達の活動が「独りよがり」になっていないか、社会から必要とされるものなのかを考えることを意識している。

総長からの選定理由コメント

国際高の有志団体「エコアクションプロジェクト」が行う、昆虫食の開発を通して食料危機への対応を志す取り組み実践である。コオロギ粉を使用したクッキーを、メンバーが学習と試作を重ねながら完成させ、大学や企業などさまざまな団体と連携しながら成果をパッケージ商品化し、学園祭で用意した分量を完売するなどの成果を得た。また、昆虫食への心理的な抵抗感を持つ人も少なくないという現実にもしっかりと向き合い、それに対する対応を現実的に考えるなど、活動の深まりが素晴らしい。

受賞の感想

このような栄誉ある賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。私たちがこのプロジェクトをスタートさせたのは昨年度、先輩方の代ということになるのですが、やはり先輩方が残してくれたものをここまで持ってくることができたということ自体嬉しく思っていますし、意義があることだと思っています。また、社会的に厳しい目を向けられることもある活動だとは思うのですが、そういったところに切り込んでいくということの大切さをメンバー一同身をもって学ぶことができたと考えています。最後に本プロジェクトに協力していただいてる法政国際高校の落合先生や波多野先生、東京農業大学の研究室の皆さんやうつせみテクノの皆さんにもこの場を借りて御礼を申し上げます。このたびは誠にありがとうございました。