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【2023年度(第7回)自由を生き抜く実践知大賞】持続可能なデザイン賞「SIC多摩産材プロジェクト」紹介

  • 2024年02月22日
お知らせ

受賞名

持続可能なデザイン賞

受賞取組

SIC多摩産材プロジェクト

実践主体

デザイン工学部建築学科 小堀哲夫研究室

取り組み内容

2022年5月から2023年6月にかけて法政大学デザイン工学部建築学科 小堀哲夫教授及び小堀研究室 リーダー関川竜宇司と他ゼミ生8名と補助役としてSOLOの神梓が主体となり、学内では多摩キャンパス ソーシャルイノベーションセンター(略:SIC)長 社会学部 糸久正人准教授及び糸久研究室の学生と、職員 小池隆夫、助手 星野善晴とで協働しながら、学外の様々な会社とワークショップを重ね、SICを多摩キャンパスの顔とするべく多摩産材を用いて内装・什器の設計から実施までを行ったプロジェクトです。
私たちは模型や3D技術を駆使したワークショップ、多摩の山間部でのフィールドサーベイを行いつつ、多くの地域課題に触れながらデザインに取り組みました。また、学内で廃棄されるドラム缶を椅子として再利用するサーキュラーデザインにも取り組みました。こうした過程の中で、多摩地域課題の研究、学部を横断した交流、教授・職員・学生が協働する学びの場の創出、実際の社会の作り手との協働を中心に行ってきました。
2023年6月から実際に運用していき、SICの利用者や訪れる多摩地域の方々にとってもSICは多摩キャンパスの顔となりつつあります。

実施しての感想

実施までを行うこのプロジェクト通して、大学内で学部を超え、地域社会を見据えながら常に利用者と共に作ることの大切さや多くの学びを得ることができました。
教授・職員・学生とのワークショップを通して、多くの方々に協力の中で、各立場での主張がぶつかり合うこともあり、これが実践的なデザインの難しさか...と思わされました。しかし、最終的に完成品を見たときは何とも言えない感動と利用者の楽しそうな顔が鮮明に思い出されます。実践的に作り手、利用者との協議を重ねていくことで、実際に形にする上での喜びと苦悩を味わうことができました。その中で、多くの方々と関わり合いながら大成功に終われたことは自身のデザイナーとしての第一歩だと感じています。
私の中での一番大きな実践知は、実際に自分たちがデザインしたものを作り、利用者の声を聞くことでデザインの可能性に気づかされたこと、そしてそれらが林業や地域の方々と密接に関わりあいながら巡り巡っていることに気がつけたことです。
これらの貴重な経験を胸に建築デザインだけでなく、社会全体に影響するイノベーションが生まれるデザインを目指して全力を注ぎたいと思います。

総長からの選定理由コメント

2023年4月に多摩キャンパスに発足したソーシャル・イノベーションセンター(SIC)の内装・什器の設計から実施までを、多摩キャンパスの学生教職員と、小堀研究室の学生のコラボレーションで行った取り組み。地域の課題の解決に、現場で活動しながら取り組んで行くSICにふさわしく、地元多摩産の木材を活用したり、学内で廃棄されるドラム缶を再利用したりしながら、SIC利用者のニーズに合った、デザイン的にも実用的かつ魅力的な空間と什器が実現された。研究室の専門性を生かし、現場ユーザーとの協働によって、多摩キャンパスの顔に相応しい空間を、学生が主体的に構築した成果が高く評価された。

受賞の感想

持続可能なデザイン賞をいただき、ありがとうございます。今回のプロジェクトは多くの企業・個人の方々の協力を得てできたもので、私たちとしても学校を自分たちでつくり変えられるということが嬉しかったですし、楽しかったです。今回に限らず、実際に他にもそういうつくり変えられる場所はたくさんあると思っていて、表彰式当日のプレゼンテーションの最後に「こういう動きが法政全体に波及していったらいい」と言ったのですが、私たちはデザインしている身で、きっと皆さんも何らかのアイディアを持っていると思うので、このプロジェクトを通してそういう場が増えて、もっと自分たちでつくっていけるキャンパスになれば良いなと思っています。このたびはありがとうございました。