お知らせ

【Message】東日本大震災から12年が経ち

  • 2023年04月13日
お知らせ

市ケ谷ボランティアセンター学生スタッフ
「チーム・オレンジ」代表
法学部政治学科2年
磯網 巴 さん(Isoami Tomoe)


Messageでは、「自由を生き抜く実践知」を体現している学生の声を届けます。

東日本大震災が起きた時、私はまだ小学生。家族が帰宅困難者になりましたが、周囲の大人に守っていただきました。当時は自宅から近い学校に通っていたこともあり、首都直下型地震が起きて公共交通機関がまひすることを考えても、どこか他人事でした。誰かが守ってくれるだろうと無意識のうちに思っていたのだと思います。

しかし、法政大学に通うことになり、もし大学の構内にいるときに大地震が起きたら、今度は1人で何とかしなくてはいけないと気が付きました。そこで、東日本大震災のことを学び、その知識をいざというときに生かせないかと考え、チーム・オレンジに入りました。

チーム・オレンジは、被災地の復興支援や防災啓発活動を行っています。実際に被災地に行く企画では、現地の方の話を聞いて学びを深めるスタディツアー、避難道の整備や公営住宅の清掃などの支援活動を行うボランティアツアーなどを実施しています。防災啓発活動では、大学で被災したことを想定した防災キャンプの他、防災クイズカルタや避難所運営ゲームといったゲームを通じて、防災知識を深める企画も手掛けています。

2022年に、防災啓発活動の一つである防災キャンプの企画・運営に携わりました。大学にいるときに大地震が起きて帰宅困難者となり、大学構内で一泊することを想定した企画です。

この企画で大変だったのは、実際の災害を想定することです。初めは企画内容だけに注目し、実際に被災したときのことを具体的に考えられていませんでした。しかしメンバーと協力し、被災したら困ることを考えた結果、日用品がなくなること、停電、ガラスが割れることなど、多くの困ることが出てきました。

この活動で得た教訓は、「自分事」で考えることです。災害時には想定外のことが起きるのは当たり前です。しかし、訓練や疑似体験を通して考え、備えることができれば、自分を守ることはもちろん、周囲の人にも目を向け、助けることができると感じました。自分なら大丈夫という考えを捨て、できることから対策をする大切さを感じています。

多くの学生が被災地に目を向け、防災に関心を持つことができるよう、これからも被災地支援、防災啓発活動を続けていきたいです。

(初出:広報誌『法政』2023年3月号)