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【2022年度(第6回)自由を生き抜く実践知大賞】とらわれることなきつながり賞「つながりを創る新たなボランティアの形」紹介

  • 2023年02月10日
  • イベント・行事
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受賞名

とらわれることなきつながり賞

受賞取組

つながりを創る新たなボランティアの形

実践主体

法政大学ボランティアセンター学生スタッフ VSP(ボランティア支援プロジェクト)

概要・成果

法政大学VSPは昨年まで、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて従来の対面でのボランティア活動の大半が延期・中止になったことで、活動のオンライン化を推進してきた。しかし、今年は行動制限の緩和もあり、対面での企画の実施に力を入れることで活動範囲を拡大してきた。

以下、二つの具体的な活動事例を紹介する。一つ目の事例は、関西大学とzoomを使用し実施した、スポーツごみ拾い企画「法政大学×関西大学 チーム対抗!遊び感覚でゴミ拾い!?」である。本企画では大学ごとにチームに分かれて制限時間内にごみを収集、分別し、ごみの種類ごとに定められたポイントで勝敗を決めた。ごみ問題への理解を深めてもらうためにごみ拾いだけではなくクイズ大会も行った。ごみ拾いと聞くとオフラインでの活動が想像されるが、オンラインを組み合わせることにより、関西と関東という、本来であれば交流の難しい両校の学生の結びつきを創出することができた。参加してくれた学生からは「都内のごみをスポーツ形式で拾う一種のアクティビティを全国に広げたい」という声があった。これにより、今回の企画はオフラインとオンラインの組み合わせによる活動のさらなる可能性を見出す機会になったと考える。

二つ目の事例は、音楽を通じて、幅広い世代の方々とのつながりの輪を広げるボランティアである。本企画は、千代田区社会福祉協議会高齢者活動センターの多世代交流事業「ちよだで多世代交流ciao!」の皆様のご協力のもと、コロナ禍で外部の演奏の機会が減ってしまった法政大学の登録団体であるピアノの会と共同して行われた。VSPは、ピアノの演奏で多世代が楽しめるようなコンテンツ作りに取り組み、参加者同士の架け橋の役割を担った。企画当日は幅広い世代の方にピアノの演奏や合唱を楽しんでいただいた。VSPが担当したイントロクイズではみんなで一緒に考える姿も見受けられた。企画を通して参加者の方々だけでなく、ピアノの会の方も含めて会場が一体となり、非常に温かい雰囲気に包まれた唯一無二の時間を提供することができた。今までのVSPの企画とは一味違った、世代を超えたつながりを感じられる企画となった。
上記の事例はVSPの一部の活動に過ぎない。コロナ禍という活動に制限があるからこそ見出すことができた企画も多々あり、メンバー一同、今までにない企画作りに知恵を振り絞り主体的に活動した成果が表れたと考えている。

総長からの選定理由コメント

コロナ禍の中で対面活動ができなくなった時期に展開されたオンラインによるつながりを、徐々に対面での活動が再開できるようになった環境の中でうまく併用して「新たなつながりを創出する場」としてのボランティア活動を企画実施する取り組み。さまざまな場所においてそれぞれ対面で行われているボランティア活動を、オンラインで相互につなぐことを通して、本学の学生が活動先とつながるだけではなく、離れた場所にある活動先の人同士のつながりにも展開して行くことができる。コロナ禍のなかで獲得したものもあること、そして、それをコロナ後にも活用することで、コロナ前よりも豊かな活動の可能性があることを実際の取り組みをとおして示す好例だ。

受賞の感想

今回、「とらわれることなきつながり賞」に選んでいただいたこと、大変嬉しく思います。VSPを引退された先輩方や企画に参加してくださった方、ボランティアをさせていただいた協力先の方々がいてこその受賞だと思っています。
一昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、従来の対面でのボランティア活動の大半が延期・中止となったことにより、活動のオンライン化を推進してきました。しかし、昨年は行動制限の緩和もあり、対面での企画実施に力を入れることで活動範囲を拡大してきました。また、「コロナ禍だから」と言ってマイナスなイメージを持ち続けるのではなく、オンラインでしか活動できなかった時期の経験や、ボランティアに対する考え方の変化などをプラスに捉えることで、各々が新たなアイディアを生み出すことができました。そのため、従来のやり方以上に様々な人とつながり、新たなボランティア活動のスタイルを構築することができました。
私たちが最も大事にしていた「人との繋がり」は、ボランティアにおいて最も重要なことであることを改めて実感しました。

VSP・飯村美南