お知らせ

【Message】命のかぎり、充実した学生生活を

  • 2022年05月17日
お知らせ

法学部政治学科4年
法政大学応援団第97代団長
柴山 直也 さん(Shibayama Naoya)


Messageでは、「自由を生き抜く実践知」を体現している学生の声を届けます。

新入生の諸君、入学おめでとう。私も今から三年前、君たちと同じくいまだ見ぬ大学生活に胸を弾ませていた。ただ、その時と大きく違うことは、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、さまざまな価値観が一変し、それに適応していかなければならなかったことだろう。それにより多くの苦労や困難もあったと思う。しかし、君たちはそれを乗り越え、今この場にいる。そのことに誇りを持ってほしい。

現在、世の中ではさまざまな出来事が起こり、昨日まで通じた常識が通用しないような事態になっている。ただ、私はいくら時代が変わり、どれだけ価値観が変わろうとも、変わらぬ大切なことがあると思っている。それは「今」を全力で生きることだ。

法政大学の校歌は、こんな一節で始まる。

「若きわれらが命のかぎりここに捧げて…」

命のある間は、ひたすらに自分の持てる力を出して取り組もう、という意味が込められている。新入生の諸君にはこの言葉の通り、命のかぎり、目の前のことに全力で取り組んでほしい。

入学したばかりの頃の私は、右も左も分からないあまり、大学に通う意味を見失いかけていた。ある日、何となく気になっていた応援団のブースに足を運んでみた。すると東京六大学野球の一戦を応援するために、明治神宮野球場(神宮球場)に向かうというので私も同行することになった。最初は声を出すことすら恥ずかしいと思っていたが、選手たちの為に全力で声を張り上げて声援を送る先輩方や同期の姿を見て心が突き動かされ、いつの間にか大声を出しながら選手を応援していた。私もこの人たちのように、人の心を動かす活動をしたい。その一心で入団した。

入団後は、さまざまな困難があったが、その瞬間の「今」を生き、目の前のことに集中してきた。そのおかげで、かけがえのない仲間に出会え、充実した学生生活を過ごしている。

新入生の諸君も、自分の命をかけるほど夢中になれるものを大学で見つけて「今」を生きてほしい。そうすれば自ずと進む道が開けてくるはずだ。勉強や部活動などに全力で取り組んだり、サークルで仲間と交友関係を広げたり、どんなことでも構わない。その選択肢の中に応援団があるなら、我々は君たちのことを心から歓迎しよう。

君たちが充実した学生生活を送れることを祈っている。

(初出:広報誌『法政』2022年4月号)