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【2020年度自由を生き抜く実践知大賞】自由な学風賞/よき師よき友が選ぶ実践知賞「家で使える図書館サービス 他」紹介

  • 2021年02月22日
  • イベント・行事
お知らせ

受賞名

  • 自由な学風賞
  • よき師良き友が選ぶ実践知賞

受賞取組

  1. 家で使える図書館サービス
  2. 文献複写(雑誌・紀要等)郵送サービス
  3. オンライン・レファレンスサービス
  4. 図書の郵送貸出
  5. 基礎ガイダンス・オンラインコンテンツ
  6. 図書館による文献情報検索講習「法令・判例・文献の利用方法を覚えるために」
  7. 企業・業界情報調べ方オンライン・セミナー
  8. つながる「読書会」

実践主体

図書館事務部

概要・成果

「緊急事態宣言」発出により図書館が4月9日より閉館し、一時期は館内サービスができないだけでなく、蔵書の貸出も行えない状態となった。非来館型のサービスとして、オンラインによるデータベースの利用や電子ブック、電子ジャーナルの利用は継続していたが、新入生へのガイダンスも実施できず、2年生以上にもサービス内容の周知が不足している状況であった。来館を伴わないサービスがあることを周知することはもちろん、十分に利用してもらうために考えた施策が図書館ホームページの特設記事「家で使える図書館サービス」である(5/15掲載)。この記事にはデータベースや電子ブックなど図書館のオンラインサービスの利用法をコンテンツとしてまとめている。さらに新入生、2年生以上に分けることで学年ごとのニーズに対応させた。また自宅から利用する際のVPN 接続方法など図書館オリジナル解説ページを作り、ワンストップな案内を目指した。

5月以降、閉館が当初の想定よりも長引いたため、新たなサービスを追加した。①雑誌・紀要論文の複写送付サービス、②オンラインでのレファレンスサービス(5/14 開始)、③郵送による図書貸出(5/26 開始)である。②③については利用者の求めを受け、現在もサービスを継続しており、実績を上げている。

その後6月12日より制限付きではあるものの、開館を再開した。しかし来館者は決して多くはない。来る全面再開を目指し図書館の機能を十全に使ってもらえるよう、オンラインでの利用者ガイダンスに注力することとした。
そのひとつ、「基礎ガイダンス・オンラインコンテンツ」では、利用者がガイダンス動画自体に興味を持ち、図書館利用の期待感を高めてもらうよう、今までにない仕掛けを動画の中に含めた。「予告篇」を作成しTwitter にアップするなどの手法も用いた結果、大きな反響を得て、多くの教員や「マイナビ学生の窓口(公式)」、他大学の学生にもリツイートされるなど効果を上げている。「分かりやすくためになり、全体の理解に繋がった。」、「初めて観る人でも理解が深まるだろうと感じた」等の感想もあった。
秋学期開始期には、具体的事例に沿った情報・文献の検索やデータベース利用の講習として「図書館による文献情報検索講習~法令・判例・文献の利用方法を覚えるために~」を開催(9/16~9/25)し、通教生を含む100名を超える参加者を得た。第2弾として「図書館による文献情報検索講習~Scopus・SciVal各種インパクト指標を中心に~」を翌週に開催(10/13・10/14)。出版社と共同開催した「Authors’ Workshop=アクセプトされるための論文作成のコツ=」(10/6)では小金井図書館長が論文執筆体験談を披露し、参加した大学院生に強烈なインパクトを与えた。また就活生を対象としたデータベース講習会「企業・業界情報調べ方セミナー」(10/2~10/8)と卒業研究や卒業論文の作成に焦点を当てた「HOSEI Search + RefWorks講習会」(10/12)は総計170名以上の参加者を得て、いずれも好評を博した。

このほか、図書館の通常サービスを補完するだけでなく、大学に来られずコミュニティに参加できないでいる学生に対し、図書館から支援ができないかを検討、企画した。その結果が以下の取り組みである。
オンライン上でのミーティング「つながる読書会」(5/13 より継続実施中)では、図書館らしい知的サービスを提供するとともに、学生同士のつながりと居場所を作ることを目的とした。参加した学生全員が内容に満足したと答えており「人とつながっている実感を持つことができた」との感想もあった。「つながる読書会」はほぼ毎月1 回のペースでテーマを変えて実施しており、11月27日にライブラリーサポーターとの共同企画「2020年に一番面白かった本でつながる読書会」、12月22日に「読『新聞』会―新聞の読み方革命―」を開催し、両企画とも大いに盛り上がった。
また図書館が主催し、学生が主体的に参加した企画として、ライブラリーサポーターが作成した「市ヶ谷図書館だより」の図書館HP 掲載(4/22)、Twitter での「140 文字の本紹介」「ユニークな図書館の紹介」、「オンライン選書ツアー」(7 月)、「オンライン・ビブリオバトル」(8/3・9/23)、「“食べる”読書会」(10/21)、図書館総合展「ビブリオバトル”勝手に”大学決戦」(11/6)、「大学ビブリオバトル・オンライン大会2020」(12/19)への参加、「芋づる式読書マップ」作成など、絶え間なく実施している。

総長からの選定理由コメント

コロナ禍においてこそ成し得た取り組みである。図書館に入れなくとも読書ができることを、とても魅力的なガイダンス動画で関心をひきながら示し、さらに「つながる読書会」によって学生の居場所を作る取り組みをした。すでに図書館は単に本を借りるところではなく、アクティブ・ラーニングのための場所となりつつあったが、それをオンラインによってどこにいても参加できるものにした意味は大きい。これを臨時の取り組みと考えず、これからの図書館のありかたとして、さらに進めて欲しい。このように誰でもがアクセスできる学びの場を作ったとことは、法政大学の「自由な学風」を推し進めるものであり、「自由な学風賞」とした。なお、この「自由な学風賞」は、3キャンパスの学生ライブラリーサポーターたちから応募があった「コロナ禍のライブラリーサポーターの取組み」も含んでいる、と理解していただきたい。両方に賞を差し上げられなかったので、「家で使える図書館サービス」に代表してもらったが、ライブラリーサポーターたちのおこなった「市ヶ谷図書館だより」「オンライン選書ツアー」「オンラインビブリオバトル」「オンライン読書会」も、今回の図書館の活躍そのものである、と思う。このような職員と学生スタッフの協力関係も、素晴らしい実践であった。

受賞の感想

自由な学風賞

この度は「自由な学風賞」にご選出いただき、ありがとうございました。
図書館では、コロナ禍の中、来館利用を前提としない新しい図書館サービスの提供に取り組みました。この実践は、言うまでもなく、これまで培われてきた法政大学の自由という学風の中でこそ成しえたことです。そして、この賞を2008年の活動開始以降、法政大学図書館をよりよくするために活動を続けてきたライブラリーサポーターの皆さんとともに受賞できたことを誇りに思います。ライブラリーサポーターの皆さんとの関係は、法政大学図書館にとって、かけがえのないものです。
図書館は今、知を集積する場から、知を活用する場への変革の時を迎えています。この賞は、図書館が前へ進み続ける上で、大変励みとなるものです。田中総長よりコメントをいただいた通り、単に本を借りるところではないこれからの図書館のあり方を実現してまいります。これからも図書館をご活用いただきますよう、よろしくお願いいたします。

図書館事務部一同

よき師良き友が選ぶ実践知賞

「自由な学風賞」に加え、受賞式プレゼンテーションを受けた投票による「よき師よき友が選ぶ実践知賞」を受賞できましたことは、思いもかけない喜びでした。私たちのノミネート事例は、8つの事例から成っており、最大5分間の表彰式でのプレゼンテーションにおいて、どのように事例を紹介し、メッセージを伝えるかを考えました。そして、全ての事例に共通し、込められた想い・言葉が「図書館を止めるな」でした。
2つの賞を励みに、コロナ禍でも法政大学図書館は止まることなく、利用者の皆さまへのサービス充実に努めて参ります。

コロナ禍の図書館の取組みを一覧にまとめましたので、ぜひご覧いただき、図書館をご活用ください!

図書館事務部
森川 愛子
飯田 恭平
有川 博隆
今野 櫻子