お知らせ

気象予報士の私にしかできないこと

  • 2021年01月14日
お知らせ

文学部地理学科2年
村上 なつみ さん(Murakami Natsumi)


文学部地理学科に在籍している村上さんは、気象予報士として「news zero」の天気コーナーを担当しています。

よく言われるのです。「気象予報士とお天気お姉さんは、何が違うの?」って。その違いは「自分の言葉で、気象に関する情報を伝えることができるかできないか」にあります。用意された原稿ではなく、自分の言葉で天気を伝えることができるのは気象予報士だけです。すごいことだと思いませんか?

しかし、ただ天気を伝えたくて気象予報士になったわけではありません。きっかけは、中学生の時に所属していた屋外の部活動です。練習が苦手で、いつも「雨が降らないかな」と空ばかり見ていました。そのうち、自分でも天気を予想できたら面白いなと思い、気象予報士を目指すようになりました。

高校では気象予報士試験の勉強に集中したいと思い、付属校である法政大学第二高等学校に進学し、高校2年生から年に2回ある気象予報士試験への受験を始めました。そして、文学部地理学科に入学した1年生の冬、6回目の挑戦で気象予報士試験に合格しました。

大学の勉強と気象予報士試験の勉強を両立させることは、正直に言うと両方とも勉強なので、それほど苦ではありませんでした。それよりも勉強によって遊ぶことを制限される方がつらかったです。みんなが遊んでいるときにも独りで勉強し、同じ目標に向かって励まし合う仲間もいなかったので、孤独を感じることが多く、大変でした。好きなことのためにしている勉強だからこそ、ここまで頑張れたのだと思います。

気象予報士になってから数カ月後に、「news zero」の天気コーナーを担当することになりました。気象予報士として番組に参加できることを誇りに思います。自分の言葉で大好きな天気を多くの人に伝えることは、とても貴重なことだと感じるからです。

天気は、きれいな現象を起こして人々を癒やすこともあれば、大きな被害をもたらして人々を傷つけることもあります。こうした天気の持つ全ての表情を、自分の言葉で皆さんにお伝えできるように頑張ります。気象予報士として、私が持っている知識を伝えることができたらうれしいです。

近年は台風や豪雨などが続き、天気は怖いという印象が強いかもしれません。ですが、実際の天気は奥が深くて面白いのです。中学生の時に感じた「天気って面白い!」という感動を、私の言葉を通して、皆さんに伝えていきたいです。

(初出:広報誌『法政』2021年1・2月号)