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【自由を生き抜く実践知大賞】特別賞・社会の未来賞 「缶サット甲子園/法政第二高等学校・物理部」紹介

  • 2018年03月12日
  • イベント・行事
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ノミネート理由・活動概要

"缶サット甲子園とは、高校生が自作した缶サット(空き缶サイズの模擬人工衛星)をモデルロケット等で打上げ、自ら設定したミッション(模擬人工衛星の動作や働き)を遂行させるなかで、技術力・創造力を競う競技会です。

この大会の魅力は、単なる実験や工作ではなく、高度なプロジェクトを達成するためにはどうすればよいか、生徒自身が問題点を発見し仲間と協力して問題解決に挑むことにより、計画力、問題発見・解決能力、コミュニケーション能力等のプロジェクト遂行力を育成し、理工系の楽しさ、すばらしさを実感して科学や工学への興味・関心を促進しようとするものです。

大会で評価される点は、生徒自らがミッションを設定し、その達成に向けて生徒自身が主体的に取り組む課程で、ミッション概要資料・事前プレゼン・実競技・事後プレゼンの4つが評価されます。何よりミッションの目的・意義に対して、いかにそれを確実に実現できるかが大きなポイントとなります。

物理部は「人々が安心・安全な生活を送ることができる社会の実現」を目的とした缶サットを作成し、ここ四年間で三度全国優勝を果たしました。

総長からの選定理由コメント

高校生たちが、「人々が安心・安全な生活を送ることができる社会の実現」という課題に取り組んだ、意欲的な実践で、高く評価できる。東日本大震災、熊本地震などをふまえ、「人々が災害時でも落ち着いて行動できる社会」の手助けになるものを作ることを目標とした、と言います。ミッションは、災害の被害を最小限に抑える「災害時の情報収集・提供の手段の拡張」に設定しています。

特に2017年度は、雪崩に遭遇した高校山岳部のグループを助けることを想定し、「容易に所持することのできるビーコンを製作し、缶サットと併せて利用することで遭難者を捜索」という活動を念頭に、缶サットを開発しました。実際に起こった災害や事故をめぐり、そこで何をできたであろう、という想像力を働かせながら、開発する姿勢が、まさに現場に根差した課題解決の実践知であると言えます。

受賞の感想

この度は、栄えある「自由を生き抜く実践知大賞」の特別賞である社会の未来賞にお選びいただき、誠にありがとうございます。

缶サット甲子園の特徴は他のコンテスト系の大会と異なり、生徒自らがミッションを設定し、その達成に向けて生徒自身が主体的に取り組む課程が総合的に評価されます。本校物理部は「人々が安心・安全な生活を送ることができる社会の実現」を目的とした缶サットを作成し、ここ四年間で三度全国優勝を成し遂げました。

これは普段の様々な教科目において、「答えの用意されていない社会の諸課題に対し、学んできたことをどう生かしていくのか」、そこに大きく踏み込んだ教育を二中高がしている成果ではないかと感じております。

6月にESA主催の缶サット国際大会に日本代表として参加してきます。法政の一員としても、研究の成果を発揮できるよう頑張って参ります。

法政大学第二中・高等学校 物理部顧問 上山 勉