2022年11月25日、市ケ谷キャンパスでは入職5年目までの職員を対象に防災訓練を実施しました。
市ケ谷キャンパスは千代田区との協定により、大規模災害時において帰宅困難となった千代田区民・在勤者等を一時的に受け入れることとなっています。そこで今回の訓練では、万が一避難施設の運営に携わることになった場合に備え、実際に本学での帰宅困難者受入施設である体育館を想定した「帰宅困難者支援施設運営ゲーム(KUG)」(※)として知られる図上訓練を体験し、事前の心構えや咄嗟の対応、運営上の課題点を発見することを目的として実施しました。
なお、本訓練実施にあたり、2022年度秋学期にILAC科目「課題解決型フィールドワーク for SDGs」(法学部:伊藤マモル教授)を受講した学生、伊藤教授、学生センターにも多大なご協力をいただきました。中でも、8名の学生スタッフがファシリテイタ―として司会進行から、KUGの説明、グループワークでの進行役として大活躍いただきました。授業で学んだことを職員に教える「実践知教育」に繋がるとともに、学生目線と職員目線の違いといった、新たな「気づき」も発見できた貴重な経験ができたのではないかと思います。
また、本学職員だけではなく、富士見二丁目町会の方や、千代田区コンソーシアムとの連携から近隣大学の皆様にも多数ご参加いただきました。実際に大規模災害が起きた時にはお互いの協力関係が不可欠ですので、今回問題意識を共有できたことは大変有意義でありました。
※:大規模地震発生後における事業所内滞留対応を短時間かつ少人数で体験できる図上訓練ツールとして、東京大学廣井研究室とSOMPOリスケアマネジメントの共同で開発されたもの。
日 時 |
2022年11月25日(金)12:40~17:20 |
場 所 | ボアソナード・タワー26階スカイホール |
参 加 者 | 入職1~5年目職員43名・他大学7名・富士見2丁目町会1名・学生スタッフ(SA)8名 |
熊本地震を経験した熊本大学の教職員の体験談として2つのお話をいただきました。
①大きな地震の後は余震が続く。熊本地震のように後の方が大きな地震になることも経験した。 地震後しばらくの間は建物の中に居ることに恐怖心をもつ人も多く、熊本大学では地震後車で避難してきて大学に駐車し、夜は自分の車の中で過ごす人が多かったそうだ。東京では地震後大規模な渋滞が起こるので、車で都心に来て帰宅困難になる人も多数出ることが想定される。空間の限られた市ケ谷キャンパスで何ができるのか、事前のシミュレーションが必要なのではないか。
②帰宅困難者受入施設というのは、我々がサービスを提供し、お客様に快適に過ごしてもらうというリゾートホテルのような場所ではない。学生教職員も、受け入れた方々も、同じ災害を経験し、ともにそれを乗り切る「運命共同体」だ。大学にできる事とできない事を受け入れ時からはっきりと伝え、限られた空間・備蓄品・最長3日間という期間を提供する中で、お互いサポートしあいながら一緒に運営していくという意識が大切である。
本日の訓練を通じ、「何かこのままでは不安だな」ということが確認できた場になったのであれば、その気づきが次のステップに繋がるものと思う。