「躰道(たいどう)とは空手と体操競技を組み合わせたようなアクロバティックな動きが特徴の武道です」と説明してくれたのは、1年生の田牧さん。
「バック転や宙返りのような動きもあるので、自分にできるのか心配になりましたが、指導してくれる先輩方の教え方が丁寧で、サークル内の雰囲気もいいので、楽しく活動できています」と笑顔を見せます。
大会では、「型」の美しさを競う「法形(ほうけい)」、相手に技を当てて組手を行う「実戦」、敵に見立てた複数の脇役を1人の主役が倒す演武をチームで創作する「展開」という3種の競技が行われます。特に、ヒーローショーのように激しく立ち回る「展開」は、躰道特有の見応えある競技です。
「『創造、進化する武道』と位置付けられている躰道は、新しい武道だけに部員は初心者ばかりですが、いつの間にか夢中になっています」と語るのは須崎さん。「2年次に出場した全国学生躰道優勝大会の『団体実戦』という競技で、個人として初めて勝つことができた時は、自分の成長を感じられて感無量でした」とうれしい思い出を振り返ります。
昇級審査に挑戦中の斎藤さんは、「バック転のような技の練習は、基礎的なことができるようになるまで、先輩たちが補助役として付いてくれるので、安心して練習できます。卒業生の方々との交流も盛んで、今はあまり会えていませんが、コロナ前は年末の締め稽古に集まってくれるなど、和気あいあいとしています」と活動の楽しさを語ります。
活動は週に4回。そのうち1回は、卒業生の監督から指導を受けています。「ウェブ会議ツールを使って、自宅でトレーニングする様子を見せ合うのは効果的な練習だと気付きました」と語るのは代表の大越さん。自分の映像を他の人と比較しながら客観的に見られるので、先生方から指導された動きもまねしやすいとのことです。「複数の他大学と合同練習会を開いて情報交換をすることができたのも、オンラインの活動ならではの思い出です」と、コロナ禍の制約も前向きに捉えます。
部員たちの共通する願いは、躰道の魅力を多くの人に知ってもらうこと。広報担当の斎藤さんを中心に稽古動画を作成したり、活動内容をSNS(交流サイト)で紹介するなど、知名度向上に努めています。
「少しでも興味を持ったら、ぜひ体験してみてください。歓迎します」と、全員が目を輝かせます。
(初出:広報誌『法政』2021年11・12月号)
※今回はオンラインで取材しています。