創部68年を迎える小金井鉄道研究会。小金井キャンパスの鉄道ファンが集まって活動しています。
「同じ鉄道好きとはいえ、こだわりを持っているポイントはそれぞれ違います。車両のデザインや乗り心地が気になる人もいれば、車両性能や終電後の保線※に興味を持って、自発的に調べている人もいます。部員それぞれが持つ知識の深さには驚かされます」と語る茂木さん。自身は乗るのが好きで「行ったことのない場所へ行き、乗ったことのない列車に乗り、見たことのない風景を見てみたい」と、鉄道を通じて未知の経験を楽しんでいます。
部員それぞれの鉄道愛が詰まっているのが、大学祭に合わせて毎年発行している会誌『マイロネフ』。最新70号では「列車種別」をテーマに特急や快速などの運行スタイル別に、特集記事をまとめています。編集を担当した前代表の長島さんは「毎年5月頃に特集のテーマを決めたら、調査や執筆に関しては各人に任せています。例えば、小野さんは開かずの踏切を解消する立体交差についての考察、茂木さんは通勤快速についてまとめた特集記事と上越新幹線を題材とした自由記事を書いています。今年度は人から話を聞いて調べることが難しかったので、例年より記事数は減りましたが、内容は充実しています」と胸を張ります。
全国を走る路線ごとに、異なる乗り心地を味わえるのも鉄道の魅力の一つ。市ケ谷鉄道研究会と合同開催する夏の合宿では、列車の車庫内見学など、貴重な経験を楽しむことも。部内では、年に数回日帰りの小旅行を企画しています。「ローカル線の臨時列車など、そこでしか味わえない体験を楽しみたいので、行き先をどこにするか、どの列車に乗りたいか、計画を立てるための話し合いにも時間をかけています」と語る小野さん。「『青春18きっぷ』を使ってのんびりと一人旅も楽しみたい」と語る声に全員がうなずいていました。
部室では、Nゲージの列車が走るジオラマも製作。大学祭で公開するときには、ディーゼル機関車のコントローラや計器をつなげて、運転体験ができるようにするなど、毎年少しずつ改良しています。
「新しい試みとして、ジオラマ内に機械や電気の技術を応用した、小金井らしい仕掛けを取り入れてみたい」と、これからの活動に期待を寄せるのは代表の塩田さん。「新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先に考えつつも、活動が下火になってしまわないように工夫していきたい」と慎重に語ります。
※保線:線路を保守する作業。終電後、専門の要員が列車の走行による線路の位置変化やレールの摩耗などを調べ、調整や工事をして正常な状態を維持している。
(初出:広報誌『法政』2021年3月号)
※今回はオンラインで取材しています