2024年度第20回デジタルコンテンツ・コンテスト

動画部門・グランプリ うごくぜ!漢字の成り立ち

2024年度第20回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
田澤 優月 デザイン工学研究科 システムデザイン専攻 M2
  • 使用ソフト
    Blender、Logic Pro、Premier Pro、VOICEVOX、NEUTRINO
  • 開発・制作・動作環境等
    OS: MacOS

作品要旨

漢字の成り立ちを3Dアニメーションと音楽でビジュアル化した作品。主人公のあいくんが漢字キャラクターに出会い、漢字の成り立ちを発見していく。ストーリー性のあるアニメーションと覚えやすい歌で、漢字学習に遊び心を加える。

作品解説

『うごくぜ!漢字の成り立ち』は、漢字学者・白川静の「常用字解」に基づき、漢字の成り立ちや由来を視覚的・聴覚的にわかりやすく伝える映像作品です。音楽を使う理由は、古典落語の「寿限無」のように、説明をリズムやメロディーにのせることで、学習者が無理なく漢字の由来を記憶しやすくするためです。メロディーが記憶を助け、学習内容を反復的に思い出しやすくします。
また、3Dアニメーションを使用することで、漢字がどのように生まれたかというストーリー性を持たせることができ、学習者が漢字の背景を発見していく楽しさを感じられるように設計されています。音楽と映像を融合させることで、視覚的にも聴覚的にもインパクトを与え、漢字学習が単なる暗記ではなく、発見のプロセスとして楽しめるように工夫しています。これにより、漢字の成り立ちと文化的背景を深く理解し、長期的な記憶に定着させることを目指しています。

デジタル技術の使用箇所・方法

音声制作:VOICEVOXとNEUTRINOを使用して、ずんだもんの音声を生成。音声合成技術により、自然で人間らしい声を作成し、キャラクターの台詞やナレーションとして利用しました。これにより、キャラクターにリアルさと個性が加わります。
音楽制作:音楽制作にはLogic Proを使用し、映像に合ったBGMや効果音を作成しました。これにより、リズム感や感情を引き出し、視覚だけでなく聴覚的な刺激を通して漢字の成り立ちを記憶に残りやすくしています。
3Dアニメーション:アニメーションの制作にはBlenderを使用しました。これを用いて、キャラクターや背景を3Dでモデリングし、動きを加えることで漢字のストーリー性を視覚的に伝えています。3Dアニメーションにより、漢字の構造や成り立ちが立体的に理解できるようになっています。
映像編集:最終的に、作成したアニメーションと音声、音楽をPremiere Proで編集し、動画の調整や効果を追加しました。これにより、字幕のついた映像作品としてまとめられています。

講評

まずこの作品を観て感じたのは作品としての完成度の高さだ。漢字の成り立ちをアニメーションで表現するアイデア自体は低年齢層向きで、はっきり言ってそれほどの新規性はないが、アニメーションと音楽、ナレーションがうまく組み合わされており、テンポよく進む展開に不安定さがなく安心感がある。流行りの音声AIずんだもんをうまく使って、妙な納得感を持たせている点もプラスに評価されたと思う。次回は是非、大人向けの作品にチャレンジしてもらいたい。