氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
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正垣 梨里 | デザイン工学部 | システムデザイン学科 | 4 |
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何気ない日常のコミュニケーションの一部だが、内心焦らされ、ストレスな言葉が隠れている。そうした焦らせる言葉に対して私はストレスから逃れるためにポップな言葉を吐くことでお茶を濁してばかりなのである。
背景に書かれた言葉は普段の会話の中で飛び交う普通の言葉である。これらの言葉に特別込められた悪意はない。むしろ自分のことを知らない無関心な人から向けられることが多い。しかし私はその言葉を受けて、人と比較したり、アイデアを持っておらず中身が空な気分になったり、自分に向けられるイメージとそのギャップを認識したり、じんわりとした焦りが生まれる。目くじらを立てるほどではないが、飲み込むと一瞬で内心ソワソワしてしまう。この焦りのストレスから自分の心を逃すために、私はその感情をポップに表現し、焦りを直視しなくて済むように誤魔化し続けている。
何気なく投げかけられた言葉に感じる小さな焦り。大騒ぎするほどではないが、しかし都度確実に自分を削っていく言葉。本作品は、そうした日々のコミュニケーションの機微を、あえてポップな色彩の中に落とし込むことでうまく表現している。学校、サークル、アルバイト、そしてSNSのつながり。色々な人の色々な言葉が絶えず聞こえてきてしまう日常を生きている若者のリアリティをうまく切り取った作品である。