氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
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髙橋 尚也 |
デザイン工学部 デザイン工学部 デザイン工学部 デザイン工学部 社会学部 |
建築学科 システムデザイン学科 システムデザイン学科 システムデザイン学科 社会政策科学科 |
3 3 3 3 2 |
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宮沢賢治作「春と修羅」を実写、イラスト、アニメーション、CGと幅広い手段で映像化した。
宮沢賢治の「春と修羅」を実写やイラストアニメーション等を交えて映像化した。撮影舞台は江ノ島である。詩を私たちのチームで独自に解釈した。主なテーマは”生と死の間で美しい現世を謳歌する”であり、死にゆく宮沢賢治と天から見守る妹を様々な絵柄のイラストで登場させた。前半は世界の美しさを主に実写を多用して表現し、すでに人間ならざるものとしてこの世に存在する妹を描いた。後半は主に宮沢賢治がまるで消えていくようこの世を静かに漂うように描いた。全体を通してだんだん遠くへ行ってしまうようなアニメーションやキャラクターの表情、江ノ島を登っていくようなカット割にこだわっている。CGのイトスギ(ZYPRESSEN)の彩度をだんだん落としてカットインとして登場させたのは死期が近づいていることを示唆するためである。また、アナログのデカルコマニーを用いて、鳥となり迎えにきて導く妹、不吉な黒い蝶になって妹の元に行く宮沢賢治を表現した。
動画開始19秒、28秒の静止画は上からそれぞれオーバーレイでブラー加工したものを重ねている。41秒、50秒、1分10秒、1分18秒は乗算でブラー加工したものを重ねている。作品を通して、エフェクトはブラーとLumetriカラーしか使用していない。イラスト、アニメーションはiPad上で作画し、実写写真、動画と同じくAfter Effects上でカラーグレーディングを行なっている。2分7秒からのデカルコマニーというアナログ上で作画した鳥と蝶はスキャンした後、iPad上でデジタル加筆している。2分21秒の曇天はIllustrator、3度出てくるイトスギは3DCGで制作している。
宮沢賢治(1896~1933)の生前に唯一刊行された詩集『春と修羅』(1924)所収の詩「春と修羅」(一部中略)を朗読し、その背後に賢治の心象風景を連想させるような美しい自然や海辺の風景が配される。またその風景の上に、賢治や亡くなった妹のトシと思しき人物をイラストで登場させ、二人を交流させることで、「春と修羅」を大胆に再解釈しようという意欲的な試みであった点が高く評価できる。