2023年度第19回デジタルコンテンツ・コンテスト

静止画部門・入選 スクリーン花火

2023年度第19回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
平野 蒼衣 国際文化学部 国際文化学科 4
  • 使用ソフト
    ibisPaint X バージョン11.0.0、ぼかし&モザイク加工アプリ バージョン2.64.0
  • 開発・制作・動作環境等
    iPad(第7世代)OS 16.3.1

作品要旨

花火をスマートフォンの液晶越しに鑑賞することの異様さを感じた瞬間を描いた。テクノロジーから一旦離れて、現実を見つめ直す時間の大切さを伝えたいと思い、この作品を制作した。

作品解説

現代社会の日常はオンライン化し、テクノロジーへ依存している。それを肌で感じたのは先日花火大会に参加した時だった。空に上がる花火を、人々がスマートフォンの液晶越しに鑑賞している。花火は本来、空に刹那的に輝き、その瞬間にしか見れないものであり、人々が花火を楽しむためにスマートフォンを使うこと自体に皮肉な側面がある。私たちはスマートフォンを通じて花火を見ることで、美しい瞬間を記録しようとする一方で、その瞬間を実際に生きている感覚を忘れがちになっているのではないだろうか。私は、スマートフォンから目を離して肉眼で空を見た時、16:9の画面でなく、視界いっぱいに輝く花火の美しさに目を奪われた。この経験から、私たちには時々電子の世界から離れ、現実世界に自分の目で向き合う時間が必要だと感じ、それを伝えたく、この作品を制作した。1枚目はスマートフォンを通して見た花火、2枚目は肉眼で見た時の花火である。特に一枚目でぼやけていた部分やスマートフォンで隠れて見えなかった部分などと比較して2枚目を見ていただきたい。

デジタル技術の使用箇所・方法

作品は、実際にわたしがスマートフォンで撮影した花火をモチーフにして制作した。写実的に表現するため、花火には5種類のブラシを使用している。人々のシルエットの間には、スマートフォンの画面の光をエアブラシ(白)で再現している。視線が画面に集中していることを表現するために、スマートフォンを持つ手をあえて境界線をぼかして描いたり、背景にモザイク加工を施したりした。