アナログゲームで遊ぶ際に感じるドキドキ感をテーマに描いた4枚です。アナログならではの高揚感や楽しさがある事を伝えたかったので、どうしたらそれぞれのゲームが視覚的に魅力的に見えるかを考えて制作しました。
1枚目の丁半は、シンプルだからこそ誰でも、何人でも参加できるルールに魅力を感じ、様々な生き物が一方向に親を目指す構図にしました。
2枚目の囲碁は、博物館で展示されている囲碁盤を見て、その古い歴史にロマンを感じて描きました。自身は囲碁のルールを勉強するもあまりの難しさに挫折してしまいましたが、いつか習得したいと考えています。
3枚目の麻雀は、台湾人の友人宅で遊んだ時、日本とのルールの違いと、牌が大きめだったことが印象的だった思い出から描きました。また、中国人の友人に見せた時に雀の字が違うと教えてもらい、修正しました。各三国で親しまれている同じゲームでも違いが見られる事を面白いと感じ、それぞれの要素を絵に入れました。
4枚目の将棋は、相手から取った駒をもう一度使えると言うルールを意識して、沢山の駒の上で胡座を描く構図にしました。
構図がそれぞれ被らない事と、色/物体のバランスを意識して考えました。
絵の参考資料は全て、日常生活の中や博物館等で好きだと感じ撮った写真を元にしているので、描いた物も全て自分にとって美しいと感じた物から構成されています。
線画中心のアニメ塗り、筆ペンを使った厚塗り、トーンを使用した模様等、様々な技法の絵をレイヤーごとに使い分けて組み合わせました。囲碁盤を描く際、盤上配置の正確性を図るため、また、制作効率を上げるために、まずはblenderでcgモデルを作ったあと、それを下書きに置いて碁盤の線画を描きました。丁半のサイコロも同様の理由のためblenderでモデルを作りました。しかしcgモデルをそのまま乗せる方が面白い絵になると感じたため、背景と上手く馴染むように特殊レイヤー化して絵に落とし込みました。
『勝負!』はアナログゲームの魅力を四つの静止画で見事に表現した。簡単なルールで参加者を選ばない多様性を多用な生物で表現した「丁半」、異なる文化の中で遊びつがれている面白さを描く「麻雀」など、四つのアナログゲームをそれぞれ異なる構図で表現した。デジタル技術の巧みな活用が各作品を引き立て、アナログゲームの対戦に居合わせているかのような高揚感をも伝わってくる作品。