氏名 | 研究科・学部 | 専攻・学科 | 学年 |
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佐々木 澄香 | 文学部 | 英文学科 | 2 |
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頭の痛みを、瓶詰めになった人を描くことで表現している。些細なことから起こる不安、恐怖、焦り、そのような感情が積み重なって化け物のように膨れ上がり、自分が押しつぶされていく様である。
自分が思う頭痛を絵で表現しました。人が瓶詰めになってる状況が描かれていますが、瓶は頭の容量を表しており、その中に処理できないほどの情報を詰め込まれる苦痛を表現しています。瓶の中には、ところどころ顔のように見えるものを描きました。これは常に誰かに見られているような感覚の表現でもありますが、誰かに見られているように感じるだけであって、本当はただの幻想であるという意味も込められています。瓶は雑多なもので埋め尽くされていますが、これは処理できなくなった感情があふれかえっている様子を表しています。全体的に絵を奇妙に曲げることで、人間関係、仕事、体の不調など、普段の生活の中で起こる様々な悩みが、不安や恐怖、怒り、焦りを増幅させ、頭の中で膨張していく様子を表現しました。
最初にスケッチブックに線画を描き、その画像をibisPaint X で読み込んで加工しました。まずは絵を「メッシュ変形」機能で歪ませ、その上に色を加えました。基本的に「塗りつぶし」機能を使い、配色に気を配って色を付けました。 背景のもやのようなものは、ブラシツール(点描)を使って描きました。また、背景がグラデーションになっていますが、ここにはフィルターが使われています。
この作品「頭痛」は感情の複雑さを巧みに表現し、瓶詰めになった人物が押しつぶされる様子が奇妙で深い印象を与えます。手書きによる線の自然発生的な有機的歪みと、デジタル技術による強制的で無機的歪みの相乗は、ストレスや不安の増幅を感じさせるとともに、現代社会におけるリアルとSNSなどのデジタル世界の二方向からのストレスや不安を表しているようにも見えてくる。