2023年度第19回デジタルコンテンツ・コンテスト

動画部門・準優秀賞 すきなもの

2023年度第19回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
増永 緒美 キャリアデザイン学部 キャリアデザイン学科 2
  • 使用ソフト
    CLIP Studio Paint
  • 開発・制作・動作環境等
    Windows11pro
  • 使用素材
    音楽:HomeMadeGarbage SoundTracks

作品要旨

好きなものは本人の性別関係なく、「好き」という感情を尊重すべきである。

作品解説

昨今、多様性が謳われている世の中である。しかし、女性がズボンを履くことは容易であるが、男性がスカートを履くことはまだまだハードルが高いように日々感じる。この作品はその差にフォーカスを当てて作成した。本作の主人公である男性は子供の頃からかっこいいものよりも、かわいいものに心惹かれていた。しかし、周りからは理解が得られず、「かわいいものが好きな自分」に蓋をして生きてきた。そうして成長した彼は自己肯定感の低い人間に育った。自分の好きな幼女向けアニメを久しぶりに見た彼は、否定された過去を思い出して涙を流す。しかし、子供の頃何も思わなかったキャラクターのセリフに胸を打たれ、その言葉に救われる。そして、少し自分に素直になろう、変わろうと自分の好きなものを身につけて会社に行くと一人の女性に言及される。また否定されるのだろうと思っていたら、その女性もそのアニメのファンであり、好意的に自分に話をしてくれた。それが初めて、男性が自分の好きなものの話題で人と目を合わせられた瞬間であった。

デジタル技術の使用箇所・方法

イラストはすべて一枚一枚手描きで描いてからそれらを編集ソフトでつなぎ合わせた。

講評

手描きのイラストをデジタル的に編集して制作された作品である。イラスト上に挿入される様々な歪みのエフェクトによってもたらされる「否定的感情」と、対比されるように終盤に登場する歪みの無い画面による「肯定的感情」が、極めて効果的に配置されている点が高く評価された。とはいえ、登場する幼女向けアニメのキャラクターが、多くの成人男性に好まれて違和感のないキャラクターにも見え、「好き」に性別は関係ないという最終的なメッセージに関する意外性は欠けているのかもしれない。