お知らせ

AI病虫害画像診断システムをWAGRIで提供開始-事業者のサービスを通じてAI病虫害診断の普及へ-

  • 2021年03月15日
お知らせ

農研機構、法政大学、ノーザンシステムサービスは、農業データ連携基盤(WAGRI) 1)を通じ、農業情報サービス事業者向けのAI2)病虫害画像診断システムの提供を開始します。当システムを利用することで、各事業者は一般ユーザ向けの病虫害画像診断サービスを構築・提供することができます。当システムは一般ユーザから送られた画像を蓄積して活用し、継続的に診断精度の向上を目指します。今回は第一弾として、トマト・キュウリ・イチゴ・ナスの4種類の野菜/果物を対象とする葉表(はおもて)病害判別器3)を公開します。

■ 本プレスリリースに関する詳細は、こちらをご覧ください(農研機構の公式ホームページへ飛びます)。

1) WAGRI
農業データ連携基盤(WAGRI)は、内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」で開発されたデータ連携のためのプラットフォームです(https://wagri.net、2021年1月接続確認)。WAGRIに参画することで、民間企業の様々な有償データに加えて、農業関係の様々な公的なデータ(土地・地図情報、土壌、気象、市況など)やサービス(作物生育・収量予測など)を商用利用することができます。

2) AI
人工知能(AI: Artificial intelligence)とは、単純にコンピューターに演算をさせるのではなく、これまで人間にしか行えなかった理解や推論、提案などを行うコンピューターの仕組みのことです。画像識別のAI分野では、人間の神経細胞の情報伝達を模したニューラルネットワークというアルゴリズムが長年使われてきましたが、コンピューターの性能向上に伴い、たくさんの疑似神経細胞の層を持つ深層学習器(畳み込みニューラルネットワークConvolutional Neural Network)が開発され飛躍的に認識能力が向上しました。

3) 判別器
ここでは、機械学習で得られた特徴を分類するアルゴリズムをさします。一般的に、AIによる画像識別プロセスは、画像から特徴を学習する過程と、学習によって得られたモデルを使って新しい画像の特徴を分類する実用過程に分けられます。学習によって得られたモデルを「判別器」といいます。