「競技スポーツとしてチアリーディング(以下、チア)に取り組んでいます」と紹介するのは宮﨑さん。高校時代からチアリーディング部で活躍していた、チア経験者も多いGRANDS(グランツ)─。その一人である宮﨑さんは「経験者も初心者も学年も気にすることなく、明るくチアを楽しもうとする雰囲気がGRANDSの魅力です」と笑顔で語ります。
チアでは、ポジションごとに役割が分かれます。タワーの先端に立つ「トップ」、人が乗る土台となって支える「耐え」と「ベース」、3段タワーのような大技で2段目に入る「ミドル」、ベースを補助しながら全体の司令塔となる「スポット」。それぞれが役割を果たしながら、呼吸を合わせて技に取り組みます。
トップを担当する田村さんは、「大学から始めた初心者なので、最初は苦労しました。何度練習してもうまく人の上に乗ることができず、悔しくて泣いたこともあります。それでも周りがずっと応援してくれて、初めて満足のいく演技ができた時は感無量でした」と思い出を振り返ります。
「耐え」と「ベース」を担当する多治美さんは「最初は重力を感じていましたが、今では慣れて、あまり重さも感じません。体幹を鍛えて、自分の軸と上に乗っている人の軸を合わせるようにすると姿勢が安定するので、地面の上にいるみたいと言われるとうれしいですね」と頼もしさをにじませます。
大学祭でのステージ、企業や地域のイベントへの参加などで演技を披露するほか、力を入れているのが大会への参加です。2019年は、創部14年目にして初めて6月の関東選手権大会(以下、関東大会)を突破。8月に全国から強豪が集まる「JAPANCUP2019日本選手権大会」(以下、全国大会)に出場を果たしました。中学時代からクラブチームに参加するほど、チアに魅了されている村松さんは「全国大会では本番前から気持ちが高揚して、自分でも驚くほど、体を楽に動かせました。今まで参加したどの大会よりも、充実感のある演技ができたと思います」と感動を思い出します。
「チアの演技は、ミスを出さないことが大切です。お互いを信頼して、気持ちを一つにしないとよい演技ができません。外部の指導者がいないことから、部員同士が教え合い、自由に意見を出し合えるようにしています」と語る、代表の坪内さん。
「今年も全国大会への連続出場を目指します」との目標を語る言葉に、全員が力強くうなずきます。
(初出:広報誌『法政』2020年4月号)