お知らせ

研究室紹介:理工学部経営システム工学科 データ科学研究室(作村建紀専任講師研究室)

  • 2020年06月23日
お知らせ

統計学でデータを読み解き技術や知識と組み合わせてその価値を見出す

統計学や情報技術を駆使しながら、ヒトやモノのデータを読み解くことで、価値を見出す研究に取り組んでいる作村研究室。3年次で統計学の基礎を学び、4年次からは、身近な題材から生まれた疑問を研究テーマとして、個別に研究を進めています。

「プロ野球の人気は下降しているといわれているのに、観戦チケットが入手しづらいことに矛盾を感じて、プロ野球の観客動員の増加傾向を調べて要因を探ろうと試みました」と語るのは龍さん。全球団に共通する要因の推定には至らなかったものの、「注目していた球団の傾向は導き出せました」と成果を語ります。

映画の評価データを解析して、自分好みの作品を推薦するシステムをヒントに、旅行先を推薦するシステムの理論づくりに取り組んだのは片山さん。「映画の評価値に比べると、旅行の評価値はポジティブなものが多いという偏りが見られました。そこで、評価値の扱いを変えて分析モデルを試した結果、予測の精度が高まりました」と笑顔を見せます。

卒業した1期生の先行研究を引き継ぎ、深化させたのは眞壁さん。「血液型と性格の関連性に科学的根拠はあるのか調べました。予想通り、A、B、O、ABで分けた血液型には性格との関連性が薄かったのですが、血液型のタイプを細分化してみたところ、似た傾向が見られたことはとても興味深い結果でした」と新たな推定の発見を喜びます。

情報技術に統計学のアプローチを取り入れて、理論を実現するための基礎研究に取り組んだのは加藤さん。「カメラの前に立つだけで、人の動きを検出してデータ化できるプログラムがあるので、正しい姿勢を維持できているかチェックして知らせてくれたら、筋力トレーニングにも役立つと考えました」と、発想のきっかけを語ります。

「関税の引き上げによる米国と中国の貿易摩擦が日本に及ぼした影響を調べました」という赤井さんは、物流関係の仕事に就くことを選択。
「この研究室で得られたスキルや知識を社会に出てから生かしていきたい」と、学びを将来へつなげます。

それぞれの研究成果は卒業論文にまとめ、次のステップへの深化を後進に託します。「学部生は時間に限りがあるので、研究を引き継げる縦のつながりもつくっていきたい」と語る作村専任講師。学生たちも、3年次と4年次の連携や卒業生との交流などを通じて、今後の研究室が活性化していくよう期待を寄せます。

 (初出:広報誌『法政』2020年3月号)

  • 前列左から、片山葉月さん、作村建紀専任講師、眞壁実玖さん、後列左から、龍真彩さん、赤井祐斗さん、 加藤達也さん(ゼミ長)※全員、理工学部経営システム工学科4年

  • 週1回の授業日には、研究成果の発表やプレゼンテーションの練習などを行う。写真はゼミ生の星野泰輝さん(取材当日は 欠席)による発表の様子。星野さんの研究テーマは品質検査 における抜き取り検査について

  • 初めての夏合宿は、学生の希望もあって熱海で開催

  • 合宿では、研究成果の解説や発表に集中した後、レクリエーショ ンも楽しんだ