「部内でマンドリンオーケストラを編成し、練習に励んでいます」と紹介してくれたのは柴山さん。
「マンドリンにはさまざまな種類があります。一般的な大きさのマンドリンは主旋律やハーモニーを奏で、一回り大きなマンドラは中低音域の音色を響かせます。さらに大きなマンドロンチェロは低音用です」。
法政大学工学部マンドリンクラブ(以下、HTMC)で使用しているのはイチジクを半分に割ったような形の「ナポリ型」と「ローマ型」のマンドリン。サイズごとに音域や特徴が異なります。マンドリンオーケストラでは、これら3種のマンドリンにクラシックギター、コントラバスを加えた弦楽器のみで構成。柴山さんは奏者としてマンドラを弾き、オーケストラの指揮も担当しています。
活動の中心は、学外のホールで年2回行う演奏会。毎年5月のゴールデンウイークには、他大学のマンドリンサークルとのジョイントコンサートを開催し、11月または12月に定期演奏会を実施しています。
在籍するHTMC部員のほとんどが大学から始めた初心者。2019年12月開催の定期演奏会で、マンドラのソロパートを初めて担当した平井さんもその一人です。
「入部して最初の合宿で、先輩の合奏を聴いた時の感動が忘れられません。まだ猛練習が必要ですが、いつか自分も人を魅了するような音を奏でたい」と目を輝かせます。
他大学との交流の場として全日本学生マンドリン連盟・関東支部(関東学生マンドリン連盟)にも所属。「連盟主催の合同演奏会に自主参加した際、思いがけずコンサートマスターを務めたことが印象深い」と緊張の瞬間を振り返ったのは宮内さん。「最前列に座ってオーケストラをリードする大役だけに、プレッシャーを感じましたが、やり終えた時は胸がいっぱいになりました」。
「高校時代から始めて5年目ですが、マンドリンは奥が深いです。他の人の演奏を聴くたびに刺激を受けます」と語るのは、次期代表予定である北村さん。「後輩たちの上達が早いので、追い抜れないように頑張ります」と笑顔を見せます。
「HTMCは卒業生との交流も深く、前回の定期演奏会には創部の頃を知る大先輩も来てくださいました。創成期の話を聞き、歴史がつながっていくということを実感でき、感動しました」と語るのはマンドロンチェロを奏でる清水さん。部の代表として、オーケストラの低音パート担当として、部員たちを温かく支えています。
(初出:広報誌『法政』2020年1・2月号)