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Vol.25 野上記念法政大学能楽研究所 所蔵資料 弘化勧進能絵巻

2011年11月02日

弘化勧進能絵巻

『弘化勧進能絵巻』二巻と能面図の三軸が納められている。軸の高さは270ミリ。能楽研究所では、これとは別に折本になった弘化勧進能絵巻も所蔵している。

『弘化勧進能絵巻』二巻と能面図の三軸が納められている。軸の高さは270ミリ。能楽研究所では、これとは別に折本になった弘化勧進能絵巻も所蔵している。

野上記念法政大学能楽研究所は、わが国を代表する能楽総合研究機関として国内外に知られています。所蔵資料には貴重なものが多く、『弘化勧進能絵巻』もその一つです。
『弘化勧進能絵巻』は、1848(弘化5)年、宝生大夫友于(ほうしょうたゆうともゆき)が江戸神田筋違大橋(現在の万世橋付近)で興行した勧進能を描いた絵巻物。著者は斉藤月岑(さいとうげっしん)と推定されていますが、原本は残っておらず、数種の模写本が現存しています。本絵巻は江戸から明治期に活動した大久保葩雪(おおくぼはせつ)の書写によるものです。
勧進能とは、もともと社寺の建立・修繕の寄付を募るために催す大規模な能でしたが、後に勧進を名目に営利的な目的で行われるようになりました。江戸時代になって、主に観世大夫が一代一度限り勧進能を行うことを幕府によって許されました。こうした中、十一代将軍家斉が宝生流を愛好し、宝生座が興隆したことで宝生大夫友于に15日間の大規模な勧進能興行が許されたのです。多い日には5千人を超える入場者があった大興行でしたが、これが江戸時代最後の勧進能となりました。
絵巻には、このときの舞台や桟敷、楽屋などの施設から、切符、売店での売り物、番組表、さらには毎日の入場者数にいたるまで、興行の模様が詳細に描かれていて、勧進能研究の貴重な資料となっています。
能楽研究所では能楽関係貴重資料をホームページ上で公開しており、その中で『弘化勧進能絵巻』を見ることができます。また、情報技術(IT)研究センターとの共同プロジェクトで、研究所のバーチャルミュージアムをオンライン仮想世界「セカンドライフ」上に公開しています(能楽研究所ホームページに「リンク」あり)。ここでは音声解説付きで『弘化勧進能絵巻』を鑑賞できます。

『弘化勧進能絵巻』より「舞台・階掛之図」。舞台上では能<鉢木>が演じられている。

『弘化勧進能絵巻』より「舞台・階掛之図」。舞台上では能<鉢木>が演じられている。

『弘化勧進能絵巻』より、右から「楽屋掟書」「出入之者鑑札・法被之図」「場中売物之図」

『弘化勧進能絵巻』より、右から「楽屋掟書」「出入之者鑑札・法被之図」「場中売物之図」

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