2022年度第18回デジタルコンテンツ・コンテスト

静止画部門・入選 新興宗教「推」

2022年度第18回デジタルコンテンツ・コンテスト
氏名  研究科・学部  専攻・学科  学年 
田沢 茉彩 国際文化学部 国際文化学科 3
  • 使用ソフト
    ibisPaint X、Discord
  • 開発・制作・動作環境等
    iPad iOS15.6.1

作品要旨

現代社会において特に若者を中心に認知されている「推し」という概念。金銭を「貢ぐ」、知人に「布教する」などの「推し事」と呼ばれる行為は、さながら宗教活動である。彼らにとって「推し」とは文字通り「神」なのである。

作品解説

テーマは「推し事×宗教」である。一目見てインパクトのある構図を目指し、明暗差をくっきりとさせ、人物へ視線誘導するため同心円状に広がる光輪を背景にした日の丸構図を用いた。
背景には信仰を意味する蓮の花の曼荼羅を描き、首元のアクセサリーにも蓮の花を用いた。人物は量産型と呼ばれるファッションを参考にデザインした。さらに、貴金属を多く用いて仏教的要素を取り入れた一方で、推し事の一環として推しカラーで小物を揃えることを踏まえて補色の青を採用し、阿修羅像のような多腕にさまざまなアイテムを持たせた。正面では祈りを捧げるように手を組み、情報収集やメディア閲覧のためのスマートフォン、推しに費やす多額のお金、ライブで使うペンライトやリストバンドなどのグッズを描いている。また、狐のハンドサインは裏切り行為を意味している。昨今はテクノロジーの普及により芸能人だけでなく一般人も配信者や活動者として人前に出ることも多く、誰もが「崇拝」の対象になりうる。そのためか、不祥事やプロ意識に欠ける行為が目につくようになったと感じる。こうした推しの炎上に対するファンの反応も信者像を形成する要素であると考えている。

デジタル技術の使用箇所・方法

ibisPaintXを用いてラフから加工まで全ての工程を行った。ブラシはそれぞれ、線画にGペン、着彩にフェードブラシとエアブラシを使用した。背景はDiscordのmidjourneyを用いて生成し、ibisPaintXでトリミングや加筆をした。