お知らせ

『法政大学大学院紀要 デザイン工学研究科編』第5号所収論文における盗用の認定と本学の対応について

  • 2022年03月07日
お知らせ

法政大学は2021年10月、『法政大学大学院紀要 デザイン工学研究科編』第5号(2016年3月刊行)に収載された論文「農の駅:Bottom-upの拠点」において、若宮和男氏「House SAの詩学」(東京大学文学部美学芸術学科特別講義 2004年夏)からの盗用部分があるとの告発を、本学告発受付窓口を通じて受けました。

これを受け、本学では学内規程に則り、調査を開始しました。当該論文は2016年3月に本学大学院デザイン工学研究科修士課程を修了した学生が、修士設計に係る研究の一環として在学中に執筆したものでした。よって、デザイン工学研究科教授会内に、学外有識者を含めたタスクフォースを設置し、調査を行ってきました。このたび、その調査が終了しましたので、以下のとおり、調査結果と本学の対応について公表します。

1.調査結果

『法政大学大学院紀要 デザイン工学研究科編』第5号(2016年3月刊行)所収論文「農の駅:Bottom-upの拠点」において、若宮和男氏「House SAの詩学」(東京大学文学部美学芸術学科特別講義 2004年夏)からの盗用があったことを認定した。

2.本学の対応

(1)当該論文を『法政大学大学院紀要 デザイン工学研究科編』第5号より撤回し、削除する。
(2)執筆者の在学時の修士設計に係る授業科目の成績評価を変更する。
(3)事実を文部科学省へ報告する。
(4)デザイン工学研究科に不正防止に関する講義を設け、所属大学院生に受講を義務付ける。あわせて、主査・副査制度のあり方を見直し、研究指導の過程における不正防止対策を強化する。
(5)大学院担当副学長のもとに専門のタスクフォースを設け、現在、各研究科が実施している研究倫理教育の有効性を検証し、研究倫理の涵養と研究不正の防止をさらに徹底するための新たなスキームを2022 年度春学期中に策定し、導入する。

本学では、学部・大学院の学生も含め、研究に従事するすべての者が研究倫理意識を高め、研究上の不正を防止する施策を講じてきました。しかしながら、このたび大学院生の修士論文に係る研究のなかで、不正がなされていたことを厳粛に受けとめています。「House SAの詩学」の著者である若宮和男氏に衷心よりお詫びを申しあげますとともに、本学が担う教育・研究における公正性・信頼性を損なったことに深く反省の意を表します。

上記のとおり、本学では、このような不正行為が発生しないよう、研究活動に携わるすべての構成員に対して、これまで以上に研究倫理教育の徹底を図り、再発防止に努めます。

 

2022年3月7日
法政大学