お知らせ

第46回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー 開催報告(12/18)

  • 2022年02月01日
  • イベント・行事
お知らせ

第46回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナーが開催されました。

2021年12月18日に、第46回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナーが開催されました。2019年は台風の影響による中止、2020年はCOVID-19のため、オンラインによる基調講演のみの開催であったため、久しぶりに学内に多くのみなさんが集うセミナーを開催することができました。

 第46回は、「コロナ、都市の危機と再生を問う」と題して、世界史的な出来事を都市・地域の持続可能性の危機ととらえ直し、アフターコロナにおける「都市再生」のありかたについて考え、日本社会に問いを発する機会をつくることが企画の趣旨でした。

以下、当日の基調講演、2つの分科会、ポスターセッションについてご紹介します。

 

 基調講演「今、真の都市再生とは?-自然・歴史・コモンズの視点から-」(陣内秀信(法政大学特任教授))

基調講演は、イタリアと日本の現代史の比較から、「都市再生」の方向性について問題提起する内容でした。
日本は2000年代初頭に、バブル崩壊後の「失われた10年」の克服の一環として「都市再生」を掲げましたが、それは近代産業革命から続く開発成長路線をなおも選択することであり、結果的に都市の超高層化が進みました。しかし、イタリアではすでに1970年代初頭から、歴史都市の保全や地域の力(テリトーリオ)を体現する田園・自然の再生、都市と田園の関係づくりを展開しながら、スローフードやスローシティを打ち出しており、そこから得られるアフタ-コロナへの示唆として、陣内教授は「新たな地域主義」を提唱しました。

 

 ポスターセッション

地域に焦点をあてた学部生と院生をあわせて7つの意欲的な発表がなされました。
それぞれがコロナ禍という制約のなかで各自のフィールドに密着した調査・研究結果であり、フロアからの質疑応答もふくめて、相互に知見を深めることができました。

 

 分科会1「都市におけるインクルーシブなオープンスペースの可能性」

本分科会では、コロナ禍において、多様な活動を許容、交流を促す空間として注目されるオープンスペースについて議論しました。
まず、新保氏から、国内外のコミュニティガーデン事例、コミュニティガーデンの意義について、紹介されました。続いて、鈴木氏からは、ロンドンにおける多種多様なマーケット、マーケットの効果、実践経験を踏まえた社会的包摂への意義について紹介されました。さらに、阿部氏からのバルセロナでの事例などの紹介を交えたコメントを踏まえて、議論を行いました。
 

 分科会2「社会的包摂と市民社会 - 次世代を展望する」

本分科会では「住まい・就労の支援」の現状把握から現行制度の限界を示し、非営利活動も含めた地域経済の視点を加えた討議をしました。
稲葉剛さんからは、コロナ禍における生活困窮者支援の最前線の状況をご報告いただきました。樋口明彦さんからは若者の就労支援・社会保障に関するコロナ禍において実施した実態調査を、海外政策・制度との比較を視野に入れてご報告いただきました。
アフターコロナを生きる次世代の暮らしと社会的包摂の可能性を展望するような議論が展開しました。

 

  • 本学特任教授である陣内秀信氏による基調講演

  • 「今、真の都市再生とは?」のテーマで講演する陣内氏

  • 学部生と院生による地域に焦点をあてたポスターセッション

お問い合わせ

法政大学 大学院事務部大学院課

TEL:03-5228-0551
E-mail:i.hgs[at]ml.hosei.ac.jp
※ [at] は「@」に置き換えて下さい.