理工学研究科修士課程に在学中の川端 美希子さん(川岸郁朗研究室)が、第8回抗酸菌研究会で第8回抗酸菌研究会奨励賞を受賞しました。
結核菌の細胞膜にある異物排出系の2つのタンパク質の発現上昇が薬剤耐性を引き起こすことが報告されています。この系について、一分子観察という手法によりトランスポータータンパク質の結核菌細胞膜中でのうごきを解析し、精製したタンパク質を用いてタンパク質間相互作用を解析しました。その結果、2つのタンパク質が複合体を形成し、その複合体が何らかの細胞表層構造に結合することが示唆されました。
結核菌は、三大感染症に数えられる結核の原因となる細菌です。世界で年間100万人以上の死者を出しており、日本でも年間1万件以上発生しています。近年、複数の薬剤に耐性をもつ多剤耐性結核菌が公衆衛生上の大きな問題となっており、その耐性機構の解明や新たな創薬ターゲットの発見が重要課題となっています。本研究で得られた結果は、薬剤耐性に関わる異物排出系がどのように作られるかについての手がかりとなるものです。
・受賞者
川端 美希子(生命機能学専攻 生命機能学領域 修士課程2年)
・学会名
第8回抗酸菌研究会
・受賞日
2024年11月3日
・受賞名
第8回抗酸菌研究会奨励賞
・発表演題
結核菌多剤耐性に関わる異物排出系タンパク質の細胞内動態とアセンブリ