お知らせ
本研究科修士課程に在学中の井上 航さんたちがThe 4th Asia Pacific International Conference on Industrial Engineering and Operations ManagementでGraduate Student Competition Awardsを受賞しました。
大規模河川の流域や低地帯に位置する大都市では,集中豪雨による浸水被害の発生リスクが年々高まっています。自治体が作成・配布するハザードマップは,DEM(数値標高モデル)データを用いて想定浸水高を計算したもので,実際に避難勧告や避難指示が出た際に,避難経路上の道路が利用できるかどうかや,道路が渋滞・混雑するかといった要素は考慮されておらず,経路の選定に適しているとはいえません。当該研究では,DEMデータと道路ネットワークデータの両方を用い,堤防の越水や決壊などいくつかの災害シナリオを想定し,災害発生時に避難経路としての道路使用の可否や,避難不可能な孤立地帯の有無,指定避難所への到達が可能か否かなどを判別しやすい,新たな種類のハザードマップの提案と試作を行いました。
自治体の指定避難所の中には,河川氾濫などの水害発生時に浸水が予想される避難所もあり,実際に災害が発生するとそうした避難所は利用不能になる可能性が高く,別の避難所を選択しても,それらが道路の浸水によって到達不可能,あるいは大きな迂回が必要になることもあり得ます。標高や想定浸水高を考えるだけでなく,避難道路の使用可否や混雑度も考慮したハザードマップを作製することで,避難先とルートの両方を考慮した「避難シナリオ」を,事前に計画することができるようになります。
・受賞者
井上 航(システム理工学専攻修士課程1年)
伊藤 大貴(理工学部経営システム工学科卒業生)
岡村 大棋 (理工学部経営システム工学科卒業生)
・学会名
The 4th Asia Pacific International Conference on Industrial Engineering and Operations Management
・開催期間
2023年9月11日~9月14日
・開催場所
University of Economics, Ho Chi Minh City
・受賞日
2023年9月14日
・受賞名
Graduate Student Competition Awards
・受賞論文名
Safe Evacuation Routes in Inundated Situations ~Assessment of a Lowland District in Eastern Tokyo~