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理工学研究科の在学生がコンピュータビジョン分野の最高峰国際会議CVPRに採用

  • 2025年06月30日
  • 受賞
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理工学研究科修士課程に在学中の守田 竜梧さん(周 金佳研究室)が、コンピュータビジョン分野の最高峰国際会議CVPRに採用されました。 

画像生成AIは進化を続けていますが、背景に特定の色(クロマキー)を指定し、その前にクリアな物体を生成することは依然として難しく、色被りや背景の乱れが発生しやすい課題でした。本研究の新技術「TKG-DM」は、追加学習なしでこの問題を解決します。初期ノイズの色情報を直接制御する独自の手法により、背景と物体の生成を分離し、双方を高精度にコントロール可能としました。これにより、背景色・物体の位置・大きさを自在に制御しつつ、高品質なクロマキー画像の生成が実現されます。

本研究は、従来手作業に依存していた背景切り抜き作業を大幅に効率化し、コンテンツ制作のワークフローに革新をもたらすことが期待されます。広告・デザイン分野では、AIが商品画像を即時に生成し、そのまま広告やカタログに活用できるため、制作の迅速化とコスト削減が可能になります。エンタメ分野では、キャラクターやアイテムをそのまま使えるアセットとして生成し、素材作成の負担を軽減。クリエイターはより創造的な作業に集中できます。映像制作分野では、生成したクロマキー映像を実写と自然に合成することで、VFX(視覚効果)表現の自由度が高まり、新たな映像表現が期待されます。本技術は、誰もが高品質なコンテンツを手軽に作れる環境を実現する、社会的にも意義ある成果です。

・受賞者:守田 竜梧(応用情報工学専攻 修士課程2年) 

・学会名:IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR)

・学会開催場所: アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビル

・学会開催期間:2025年6月11日~6月15日

・受賞日:2025年6月11日

・受賞論文名:TKG-DM: Training-free Chroma Key Content Generation Diffusion Model

・共著者:Ryugo Morita、Stanislav Frolov、Brian Bernhard Moser、Takahiro Shirakawa、 Ko Watanabe、Andreas Dengel、Jinjia Zhou