理工学研究科修士課程修了生の岩田 和久さん(佐々木 秀徳研究室)が、電気学会 静止器・回転機合同研究会で電気学会産業応用部門優秀論文発表賞を受賞しました。
モータなどの電気機器の構造を設計する際には、最適化技術が活用されています。特にトポロジー最適化は自動的に未知の構造を得ることが期待され、モータ設計にも活用されつつあります。トポロジー最適化は適用の利点がある一方、得られた構造の機器への効果を考察するには、詳細に解析するなど、再検討が必要があり、未知の構造が故に解釈に労力を必要とします。そこで、人工知能分野で注目されている説明性を持つAI(XAI: eXplainable AI)を用いて、電気機器の構造とその特性の関係性について解釈を自動で行う手法"Design-LIME"を提案しました。Design-LIMEは従来のXAIに比べ、磁気回路を保持した解釈を行うことが可能であり、設計における効率化が期待できます。
モータは電気自動車や鉄道をはじめとした電動モビリティ、家電など身の回りで多く用いられています。また、近年機器の電動化が促進され、モータを用いた機器が増えてきています。モータの効率や性能を改善することで、地球全体の電力消費量を大幅に低減することができます。本研究はモータの性能改善に大きく貢献する可能性を秘めており、世界の環境問題の改善に寄与することが期待されます。
・受賞者:岩田 和久(電気電子工学専攻 修士課程 修了生)
・学会名:電気学会 静止器・回転機合同研究会
・開催期間:2024年9月10日~9月11日
・受賞日:2025年3月31日
・開催場所:北海道大学札幌キャンパス
・受賞名:電気学会産業応用部門優秀論文発表賞
・受賞論文名:深層学習による設計に特化した特性寄与領域可視化手法に関する検討:Design-LIME
・備考: