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【大学院教員インタビュー】歴史的な資産を活用するために、地域住民の評価と合意形成プロセスを分析する(地域創造インスティテュート 水野 雅男 教授)

  • 2025年05月23日
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水野 雅男 教授(地域創造インスティテュート)

  • 担当科目
    住宅政策特論
     
  • 経歴
    東京工業大学大学院理工学研究科社会工学専攻修了、地域計画系コンサルタントを経て個人事務所設立、主に石川県内で住民主体のまちづくり活動をマネジメント。2009年金沢大学地域マネジメントコース教授、2011年より法政大学現代福祉学部・人間社会研究科教授。
     
  • 著作物・論文:『地方都市の再生戦略』(共著、学芸出版社、2013年)、『生活景』(共著、学芸出版社、2009年3月)、「東京都地域防災計画における野外収容施設の位置づけの変遷と大震災時の開設実態に関する研究」(共著、地域安全学会、2022年)、「地方都市における在来工法住宅の保全・継承システムに関する研究—平常時と被災時の比較および家族類型と出入り大工との関係性からの考察—」(法政大学博士論文、2016年)

Q. 現在まで、どのような学生を指導してきましたか?

これまで、私が大学院人間社会研究科で指導してきたのは、学部からの研究をより深めるために進学され博士論文までまとめられた方、大学を卒業されて実社会で働く中で社会の課題を把握され、それに関する調査研究に取り組み修士論文に取り組もうという社会人の方などです。
「地域創造インスティテュート」は、経済学研究科、人間社会研究科、キャリアデザイン学研究科の3つの研究科を横断する形で創設されており、学びの幅もさらに広がっていることから、今後の新たな学生さんとの出会いにも期待しています。

Q. ゼミや研究室では、どのような研究を行っていますか?

私自身、社会工学を専攻してきており、計画論的なアプローチで研究に取り組んできました。研究対象は、港湾から建造物まで幅広く取り上げてきましたが、一貫しているのは歴史的な資産を活用するために、地域住民の評価と合意形成プロセスを分析することでした。さらに近年は、創造的な活動を生み出す環境(クリエイティブ・ミリュー)に関する研究や、大規模自然災害時の避難所に関する史的研究や実証研究といった災害対応に関する研究にも取り組んでいます。

研究の指導方針としては、メンバー個々の関心テーマに沿って、社会的な課題を解決するために求められる新たな知見を導き出すことをサポートすることです。これまでは、単身高齢者の居住支援や高齢社会の交流サロン、居場所などを研究テーマとしており、そのフィールドワーク調査を基軸にデータ分析を行ってきました。その結果を、学術的な成果に結びつけて研究論文として取りまとめることを支援してきました。

Q. どのような分野に関心を持つ学生に進学してほしいですか?

これからの成熟社会においては「豊かさ」や「誇り」を醸成することが肝要と考えられます。そのような地域社会を構築するために何が必要なのか、社会の仕組みや価値基準を転換するために重要な鍵となるのは何なのか。「地域創造インスティテュート」の学際的な視野を持って、学問の知見と方法論をフィールドワークを通じて、実証的に追究したい方に是非とも進学してもらいたいです。


【地域創造インスティテュートについて】
本学大学院の経済学研究科・人間社会研究科・キャリアデザイン学研究科の3つの既存研究科をベースとして「地域創生」に関する知識豊富な教員を論文指導教員として選抜し、大学院レベルの「フィールドワーク」の要素も取り入れた、全く新しい形の教育・研究組織です。