お知らせ

スポーツ健康学研究科の在学生の研究課題が2025年度スポートロジー研究助成に採択されました

  • 2025年04月11日
  • 受賞
お知らせ

スポーツ健康学研究科博士後期課程の松田凌汰さんが応募した研究課題「投運動における協調性獲得メカニズムの解明」がミズノスポーツ振興財団による2025年度スポートロジー研究助成に採択されました。

野球やダーツなどの投運動において、熟練者は狙った位置へ正確に投げることができます。しかしながら、人間の身体は毎回全く同じように動かすことができません。それにもかかわらず、なぜ熟練者は正確に投げられるのでしょうか。この問いを解くカギが、「協調」です。これは、身体の関節どうしがうまく連携して、お互いの動きのばらつきを補い合うしくみのことを言います。たとえば、肘が伸びすぎても手首がその分を調整すれば、狙った位置に正確に手を伸ばすことができます。従来の研究で、熟練者はこのような「関節間の協調」を使って、到達位置のばらつきを抑えていることが分かっています。しかし、そのような協調性をどうやって身につけたのか、つまり上達の過程に関しては、十分に検討されていません。
そこで本研究では、初心者が練習を重ねる中で、身体の動作がどのように変化し、どのように協調関係を構築するのかを検討します。具体的には、バイオメカニクス分野で発展してきた分析枠組みを運動学習分野の実験枠組みに応用することで、投運動における協調性獲得メカニズムの解明に試みます。この研究成果は、従来バイオメカニクス分野で着目されてきた一流選手の動作の解明に留まらず、その動作を獲得するメカニズムの解明へと分野の発展が見込まれます。また、その獲得を促進するトレーニング法の開発など分野を跨いだスポーツ科学の発展に寄与することが期待されます。

関連リンク