№ | 推薦教員 | 本 | コメント | |
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1 | 経済学部 篠原 隆介先生 |
『戦略的思考の技術 : ゲーム理論を実践する』 梶井厚志著 多:2F文庫新書 /中公/1658:S |
少し古い本ですが、ゲーム理論のエッセンスが詰め込まれている良書です。 | |
2 | 経済学部 冨永 靖敬先生 |
『戦争とは何か : 国際政治学の挑戦』 多湖淳著 多:2F文庫新書 /中公/2574:S |
今や国際政治学の最先端の学術誌において「リアリズム」、「リベラリズム」、「コンストラクティヴィズム」という用語を目にすることはほとんどない。本書はこれら伝統的学派の問題点を指摘しつつ、科学的な国際政治研究とは何か、戦争はどのように説明され、科学的に検証され得るのかを解説する待望の一冊である。伝統的学派から脱却し、科学的な国際政治学の研究(また最先端の国際政治学)に興味を持つすべての人にお薦めする。 | |
3 | 経済学部 長原 豊先生 |
『マルクスの亡霊たち : 負債状況=国家、喪の作業、新しいインターナショナル』 |
ここで推薦した作品は僕の余業に関わる一冊ですが、たかが大学教員の自称「専門」や推薦図書なんかどうでも良いのです。何よりも、どんな本でも手当たり次第、数多く読むのが良いのです(映画もね!)。またいまはなかなか困難ですが、開架図書だけでなく、是非(!)閉架で静かに眠る図書を「自分の目で見て、自分の手で触り」に行ってください。 | |
4 |
社会学部 岡野内 正先生 |
『グローバル・ベーシック・インカム入門 : 世界を変える「ひとりだち」と「ささえあい」の仕組み』 岡野内正 [ほか] 著 ; 岡野内正訳 多:2F教員著作 364/OK |
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5 | 社会学部 堅田 香緒里先生 |
『貧困とはなにか』 ルース・リスター 多:2F 368/LI |
イギリスを代表する貧困研究・社会政策研究者のルース・リスターによる、「貧困」をめぐる包括的なテキスト。貧困の測定(measurement)、定義(difinition)、概念(concept)を論じたうえで、脱政治化された貧困問題を再政治化するための思想的探求が試みられる。古典的な貧困研究の視角に留まらず、フェミニズムやシティズンシップに関する領域横断的な学際的研究で得られた知見を活かすことで、貧困への新たな視座を提供してくれる一冊。 | |
6 | 社会学部 愼 蒼宇先生 |
『民衆暴力 : 一揆・暴動・虐殺の日本近代』 藤野裕子著 多:2F文庫新書 /中公/2605:S |
「暴力」はみなさんの身近にも社会的にも国際的にもあらゆるところに存在しています。にもかかわらず暴力とは何か、きちんと議論されずにいます。この本を読めば、民衆と暴力について歴史的に紐解く手がかりを得ることができるでしょう。 | |
7 | 社会学部 田嶋 淳子先生 |
『国際移民の時代』 S. カースルズ, M.J. ミラー著 多:2F 334/CA 多:B1FNDC和書 334.4/98/4 |
コロナの時代にあっても、グローバル化と人の移動を考える必読書です。 |
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8 | 現代福祉学部 佐野 竜平先生 |
『障害者とともに働く』 藤井克徳, 星川安之著 多:2F文庫新書 /岩波J/925:S |
「障害」と聞くと、最初に何が思い浮かびますか。様々な背景を持つ人と一緒に生きていく多様性を重んじる社会、それは障害の有無に関わらず誰もが「やりがい」や「生きがい」を感じることのできるインクルーシブな社会とつながっています。障害者雇用促進法などもあり、どの職場でも何らかの形で障害者と働く機会はありえます。本書には、今までになかった視点がたくさん詰まっています。 | |
9 | スポーツ健康学部 伊藤 真紀先生 |
『よくわかるスポーツマーケティング 』 仲澤眞, 吉田政幸編著 多:2F 780/NA |
スポーツマーケティングの理論と実際がわかりやすく解説されており「スポーツマーケティング論」の全体像が把握できる一冊です。各章ごとに世界標準の研究理論と最新の研究動向を踏まえた構成となっており、スポーツやスポーツビジネスが担うべき社会的役割をふまえた「これからのスポーツマーケティングに必要な情報と基本的考え方」を学ぶためのテキストとしてスポーツビジネスを学びたい皆さんにお勧めの一冊です。 |
№ |
推薦教員 | 本 | コメント | |
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10 | 経済学部 篠原 隆介先生 |
『私たちと公共経済 = Public economics: incentives and welfare 』 寺井公子, 肥前洋一著 多:2F 341/TE |
政府の活動を経済学的に考察する公共経済学を学習できる入門書です。 |
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11 |
経済学部 冨永 靖敬先生 |
『原因を推論する : 政治分析方法論のすゝめ = Causal inference and political analysis』 久米郁男著 多:2F 311/KU |
印象論、感情論、陰謀論、世の中には多くの不確かな議論が存在する。ある現象の原因を推論する場合、どのような条件を満たす必要があるのか。本書は主に政治現象の事例を用いつつ、因果関係推論の条件を丁寧に解説する。経済学・政治学だけでなく、すべての分野の学生に手にとって欲しい一冊である。 | |
12 | 経済学部 長原 豊先生 |
『不和あるいは了解なき了解 : 政治の哲学は可能か』 ジャック・ランシエール [著] ; 松葉祥一, 大森秀臣, 藤江成夫訳 多:2F 311.1/RA |
当たり障りなく、互いに友人を装って平和に生きてゆくために「必要な絶対的不毛」の生としての意義とそれに纏わり憑く屈託を政治哲学として理解させてくれる作品です。彼には『無知な教師——知性の解放について』(法政大学出版局、2011年)という「とくに新入生にとって適切な(!)作品」もあります。いち早く「高校生」をホントに卒業し、大学生になってください! | |
13 | 社会学部 岡野内 正先生 |
『この指がISから街を守った : クルド人スナイパーの手記』 アザド・クディ著 ; 上野元美訳 多:2F 302.2/CU 多:B1FNDC和書 302.2/389 |
大虐殺と数百万人の難民、IS(イスラム国)を生み出したシリア内戦。その北部のクルド人地域で現在進行中の、しかし風前の灯火と消えるかもしれない、とてもすてきなロジャヴァ革命の体験記。戦場文学の傑作だと思う。詳しく知りたい人は、ミヒャエル・クナップ他著、山梨彰訳、『女たちの中東 ロジャヴァの革命――民主的自治とジェンダーの平等』青土社、2020年、をどうぞ。そもそもクルド人ってなに?という人には、山口昭彦編著『クルド人を知るための55章』明石書店、2019年、がいい。 | |
14 | 社会学部 堅田 香緒里先生 |
『ぼそぼそ声のフェミニズム』 栗田隆子 多:2F 367.2/KU |
「いつも、人の背中を見ていた」という一文で始まる本書は、能力主義に貫かれた現代の偽装フェミニズムが1%のエリート女性に働きかけるものに過ぎないことを教えてくれる。著者の栗田は、不登校やウツを経験し、現在は非正規で働きながら生活保護を利用している。そして、未(非)婚で子無し。「バリキャリ」でも「母」でも「妻」でもない彼女が、自らの経験を「なかったことにさせない」ために記し、「弱さ」を否定する社会を鋭く問う。フェミニズムとは本来(1%ではなく)99%のためのものであることを思い出させてくれる一冊だ。 | |
15 | 社会学部 愼 蒼宇先生 |
『戦後補償から考える日本とアジア』 内海愛子著 多:2F 369.3/UT |
近代日本の戦争と植民地支配をめぐる日本の戦後補償と歴史認識がいかに不十分なものであったのか。この本を読めば、その全体像と歴史がよくわかります。 | |
16 | 社会学部 田嶋 淳子先生 |
『在日外国人 : 法の壁, 心の溝』 田中宏著 多:2F文庫新書 /岩波新赤/1429:S |
若干古い本ですが、在日外国人問題に興味のある人は必読書です。問題の過去を知り、新しい領域に挑戦してみてください。なお、古い本なので統計データはご自分で更新してください。 | |
17 | 現代福祉学部 佐野 竜平先生 |
『思考の整理学』 外山滋比古著 多:2F文庫新書 141/TO:S |
今ではすっかり知られた書籍となりましたが、私が学生の頃に読んだ際にはまだそれほどは知られていませんでした。今も鮮明に内容を覚えている本書です。学生や社会人などの立場や年齢を問わず、日頃から物事をどう捉え、どう整理するかということがわかりやすく書かれています。時代の変化や技術の進展などに関係なく、ずっと読まれてきたのにもうなずけます。大学時代にぜひ読んでほしい本の一つです。 | |
18 | スポーツ健康学部 伊藤 真紀先生 |
『自分の頭で考える日本の論点』 出口治明著 多:2F文庫新書 304/DE:S |
玉石混淆の情報があふれる現在社会において、信頼できる情報を見極める力や自分の考えをしっかりと伝えることが大切になっています。この本は、私たちが直面する重要な22の論点を解説しながら、著者が自分はどう判断するかの思考プロセスを解説しています。先の見えない時代を生きるのに役立つ知識が身につき、本物の思考力も鍛えられる一冊です。 |
教員氏名 | コメント |
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経済学部 篠原 隆介先生 |
ご入学おめでとうございます。図書館をうまく利用し、知識を蓄えてください。その知識は、皆さんにとって財産になるはずです。 |
経済学部 冨永 靖敬先生 |
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。コロナ禍の中で始まる大学生活に不安や期待、様々な気持ちを抱えているかと思います。どのような環境にあるにせよ、四年という時は一瞬です。限られた時間の中で様々な人・価値観と出会い、常に目標を持ちつつも、可能な限り多くの回り道をしながら充実した四年間を送ることを願っています。 |
経済学部 長原 豊先生 |
たとえオンライン講義であっても、決められたその日のその時間に教員がリアルタイムで皆さんに懸命に話しかける生の講義でときおり触れる「さまざまな古典的作品や刺戟的新作」を、図書館に「探しに来て」ください。そして気に入ったら購入しましょう! モニターの中の「声を出す配置資料」(だけ)が学習ではありません。 |
社会学部 岡野内 正先生 |
ロジャヴァ革命のおもしろさは、女性たちが銃をとって、女性だけの軍隊と警察をつくって、ISのような外敵だけじゃなくて、娘をぶんなぐって無理やり結婚させるオヤジたちを牢屋にぶちこんだこと。人類史上初めての、隣近所だけの全員参加集会が最高決定機関になる直接民主主義を、まじめに、もう10年近くも続けていること。・・・たとえ無残につぶされたとしても、人類史はここから変わるかもしれません。いや、つぶさないために、何ができるか。いっしょに考えましょう! |
社会学部 堅田 香緒里先生 |
図書館という空間にしかない特別な時間を大切にしてください。 |
社会学部 愼 蒼宇先生 |
多様性を重視し、他者への関心を深めて、新たなつながりを創り出せる大学生活になることを期待しています。 |
社会学部 田嶋 淳子先生 |
新型コロナ・ウィルス感染症の拡大や変異株の広がりがあって、なかなか外出が自由にできない今だからこそ、じっくりと本を読みましょう。その時間はたっぷりあります。 |
現代福祉学部 佐野 竜平先生 |
大学時代というのはいわゆるゴールデンタイム、輝かしい日々です。一方で、時間は1日24時間与えられているのに、その感じ方は平等ではありません。「大学時代に良い本に出会ったかどうか」、これは社会人になってから後悔するランキング1位かもしれません。ぜひ1冊でも多く良い本に触れて、自分というダイヤの原石を磨いていってほしいと思います。 |
スポーツ健康学部 伊藤 真紀先生 |
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。これからの学生生活ではこれまでの学習とは異なり、レポートやプレゼンテーションなど自ら発言、発信する「アウトプット」が大切になっていきます。アウトプットをするためには、インプットがとても大切です。講義で学んだことをさらに深める、自分の好きなこと、気になったこと、知りたいことなどたくさん本を読んでインプットの絶対量を増やしてください。がんばれ法政大生!! |
法政大学図書館
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