さ行

坂本ゼミ

さ行

坂本ゼミでは「メディアを活用した文化探究学習を実践し、国際文化交流コーディネーターとしての能力を身につける」ことを目的に、映像制作を中心とした活動を行っています。

撮影機材を担ぎ、iPadやPCを手に大学を飛び出し、小学校、中学校、被災地、そしてゼミ活動の主柱であるカンボジア研修における協働学習(collaboration )は、出会いと発見に満ちています。

主な活動

ゼミ活動は、坂本先生のMIL(メディア・インフォメーション・リテラシー)の講義をはさみながらDST(デジタル・ストーリーテリング)作成から始まります。DSTとは、撮影したデジカメ画像、古い写真、自分自身で描いた絵などを、自分のナレーション録音でつなげて制作する「物語」で、その制作過程はスキルを身につけるだけでなく、自分自身のキャリアについて深く考察する機会でもあります。

夏の合宿

夏の合宿では、恒例のドラマ制作です。これまでミステリー、ロマンス、そして昨年はホラー作品と、シナリオ、出演、撮影、編集をすべてゼミ生によって行い限られた時間の中で作り上げ、合宿最終日の発表会では、歓声があがります。また、先生が担当をつとめる「地域学習支援」授業のコミュニティ・メディア班合宿にもゼミ有志が参加し、南相馬を中心とした被災地で取材活動を行います。被災地での活動は2011年の夏から続けてきましたが、今後も続いていくことでしょう。

カンボジア研修

夏休みが明けるとメイン・イベントであるカンボジア研修の準備です。江戸川区立鹿骨東小学校を訪問し、カンボジアの小学校に届けるビデオレターを作る子どもたちのお手伝いをします。楽しいだけでなく、元気いっぱい(過ぎる?)の子どもたちに決められた時間内で完成させなければならないという緊張も伴いますが、とにかく子どもたちはかわいいです!

カンボジアでの活動は、CMU(カンボジアメコン大学)日本語ビジネス学科の学生たちとDSTやドキュメンタリーを制作します。テーマ決めから取材、撮影、編集まで、日本語、英語、クメール語、が入り混じっての協働作業は、笑顔があふれ親睦が深まると同時に互いの文化について考える貴重な経験となります。小学校訪問ではビデオレターやSkypeによる交流を行います。映像を見上げる子どもたちの生き生きした表情に元気をもらって、日本へ再び届けるビデオレターの撮影、そして最後は思い切り子どもたちと遊びます。研修が終わるころにはゼミ生同士のみならず、カンボジアの新たな仲間との絆が生まれ、帰国後も「I miss you!」がweb上を飛び交います。

おわりに

これらの他にも、PLURAL+ Youth Video Festivalへの参加や、法政二中と中学大連第16中学校のDSTによる国際交流支援、武蔵大学松本ゼミとの協働イベント、など盛りだくさん。これらは机上のみでは決して得ることのできない「現場」での学びです。YouTubeやU-streamなど、 ICTの発展がもたらした映像による新しい表現手段は、TwitterやLine、FacebookなどSNSを通じた広範囲の伝播により、ボーダーレスな個々の表出という現象を生み出しています。

一つの目標のために異なる文化や立場を越えて協力するという意味が含まれる「協働」はわたしたちに文化の違いを越えた新しい価値観への目覚めをもたらしてくれるものだと思います。

記事  卒業生(M.T)