私たちは「市民のキャリアデザインや“まちづくり”に何ができるかを考える」をコンセプトに、様々なフィールドワークを行っています。また、“まちづくり”を牽引してきた方々にインタビュー調査をし、“まちづくり”にとって必要な条件などを考えています。
寺子屋講座とはNPOが運営する千葉県野田市郷土博物館で行われている月に2回の講座です。地域で働く人たちや芸道文化に通じていた方を講師としてお招きし、市民のキャリアデザイン形成に寄与させる目的で行われているものです。金山ゼミは、この寺子屋講座の運営スタッフをしながら、自らのキャリアデザインにも活用しています。また学芸員の方々の仕事を間近で接することによって、文化施設の運営方法や地域や市民活動との関わり方を学んでいます。
【100回以上におよぶ寺小屋講座の一例】
【ゼミ生の活動】
会場設営、受講者の誘導など運営の手伝いをしながら、講話を聞き、講師や市民の方々との意見交換をします。また学芸員などと講座の振り返りを行います。
【スケジュール】
寺子屋講座は毎月第一週と第三週の日曜日に行っています。現在学生はローテーションで活動をしています。
寺子屋講座の様子(野田市郷土博物館)
最近、金山ゼミでは、浅草のまちづくりを中心的に担った、「おかみさん会」の富永会長からお話を伺ったり、実際に街を歩きながら説明を受け、浅草のまちづくりと歴史や文化を学んでいます。また3年生を中心に千代田区の魅力創造をはかるために、区内のミュージアムと大学の連携の仕方を考えています。2013年度はニューオ―タ二美術館、相田みつお美術館、出光美術館、日比谷文化館、逓信博物館、科学技術館、カメラ博物館などの文化施設を調査し、各館の学芸員の方の説明を受けています。このようなフィールドワークを通してミュージアムと地域の関わり方を実践的に考えるゼミの共同調査や研究を行っています。
浅草「おかみさん会理事長」冨永照子さんのヒアリング調査
金山ゼミでは5月のゴールデンウィークと夏休み期間中に、“まちづくり”に取り組んでいる地域を選び、調査のアポイントをとり合宿に関する準備を学生主体で行っています。昨年度の5月と夏休みは宮城県石巻市へ行き、震災によって地域のコミュニティが崩れてしまったことや、今後のまちづくりに関して、NPOの代表の方に案内していただくとともにヒアリング調査をして、被災地への理解を深めました。今年度の5月は千代田区の魅力創造を考えるワークショップに参加しました。3年生はこのワークショップからミュージアムと大学が連携するための施策について考えました。また夏休みには滋賀県の長浜市と彦根市を訪れ、株式会社黒壁による民間主導で商店街を建て直してきた長浜市と、自治体主導でまちづくりを行ってきた彦根市を比較調査しました。この調査は、対照的な街を比べることによってまちづくりに関して必要なものを考えるという目的で行いました。このように金山ゼミでは3年生は年2回、4年生は年1回の調査合宿があります。実際にその土地へ行き文化や人に触れることで、自らの知識や経験を深めると共に、自分のキャリアデザイン形成にも大きく関わっています。
お茶会の様子(夏合宿、滋賀県彦根城)
金山ゼミではフィールドワークや合宿の他に、“まちづくり”などに関する文献のテキスト批評に関しても力を入れており、クリティカルレビューや問題提起の力を養っています。繰り返しテキスト批評し、それについてゼミ全体で議論することによって自分の意見が主張でき、様々な視点をもてる人を目指しています。
金山ゼミは、地域コミュニティのことや“まちづくり”に関しても研究をしています。ゼミは大人数ではないところがメリットです。一人ひとりに役割があるので充実感や達成感を得やすい環境だと思います。学外へ出て調査も積極的に行っているので、様々な授業のカタチがあるのも金山ゼミの特徴です。
記事 キャリアデザイン学部4年 鈴木 明日香
ゼミ生たち(九代目市川団十郎が演じる「暫」の銅像前。浅草)