あ行

上西ゼミ

あ行

基礎力を高めて卒論につなげる

●相手に伝わる文章の工夫

上西ゼミは広く働くことをめぐるテーマをとりあげていますが、文章力を高めることにも力を入れています。

例えばドラマ『重版出来!』の第2話、営業の小泉さんに光を当てた回をみんなで見て、自分が注目した場面をレポートで紹介してみたことがありますが、その際、このドラマを見ていない人を読者として想定するよう求めました。登場人物やあらすじを知っている人には説明なしで通じることも、ドラマを見ていない人には通じません。ではどういう説明を加える必要があるか、どういう順番で話を組み立てると伝わりやすいか――案外、難しいものです。読み手の立場に立って想像力を働かせながら書いてみて、できあがったレポートを相互に比べてみる、そして、もう一度書き直してみる――そういう試行錯誤を繰り返していくと、だんだん、人に伝わる文章が書けるようになります。

そうやって培われた力は、就職活動で自分の経験を語る際にも役立つものですし、卒論のように長い文章を組み立てていく際にも生きてきます。

●当たり前を問い直す

自分のアルバイトの働き方を紹介する課題も同様のねらいで取り組んでいます。この課題は、自分が働いている職場の労務管理のあり方を相対化して把握する機会にもなります。

同じアルバイトでも、任されている仕事の内容や習得方法、正社員との関係は職場によって異なります。他の学生の働き方との違いを知ることで初めて、当たり前と考えていたことが問い直されて行きます。その違いは何に起因するのか、職種の違いなのか、それとも労務管理の適正さの問題なのか――そう考えていく中で、働く人と組織の関係に目が向けられていきます。

●レジュメの作成を通して論点をとらえる

課題文献を読んでレジュメを作成することは、論点を読み取る力を必要とします。論点の把握を通して、論説文の論理的な組み立ても理解されていきます。そのうえでその論点に対して自分の意見を対置することによって、著者との深い対話が成立します。

論理的な思考力は、論理的な文章を読み解くことの積み重ねなしには身に付きません。自分の関心のあるテーマに関連する文献を探して、読み解いていく。そのうえで、卒論執筆に臨めるよう、段階的な指導を行います。

●各自の関心を深めて卒論を執筆する

卒論のテーマは各自の関心をもとにみずから設定します。例えばこんなテーマでゼミ生は卒論を仕上げてきました。

◇   派遣法改正後、派遣労働者の不満との向き合い方
◇   日産のEV 戦略は今後のEV 市場で競争優位を持つことができるのか
◇   就労を前提とした留学制度は、誰のための制度か
◇   お仕事ドラマから読み取る働き方改革​​​​​​