「あたりまえ」や「ふつう」をこわしてく。それが、遠藤ゼミです! 「あたりまえでしょ」という言葉が生きづらさを生み出したり、「ふつうはそうでしょ」という決めつけが対話を閉じたりしてしまうから。私たちが目指すのは、高みの見物の議論ではなく、現実に接近し、当事者の気持ちのくみ取り方を考え、対話の中で個人と社会の課題を解決していく生き方です。
活動は常に“学生”主体。自分たちは何を明らかにしたいのか。そのためには今日何をしなくてはならないのか。目的からの逆算思考を実践し、「失敗してもいいから自分で考え行動しよう」という先生のもと、のびのびと活動しています。
◎2年生
「どうして人と自分を比べてしまうの?」「“一人でいるのが好き”って良くないこと?」
それぞれが日ごろから関心や疑問をもっていることを調べ、発表し、議論します。問いの立て方、考察の仕方、議論の進め方を学びます。答えがひとつではないからこそ、それぞれの考え方や意見が行き交い、多様な角度から考える習慣が身につきます。
◎3年生
自分の研究テーマを学術的に探究する手法を学びます。入門書→専門書→最新の研究論文と、読むものの難易度を挙げながら、批判的に検討すること、現場に即したアプローチの仕方などを身に着けます。
卒業論文のテーマを決め、調査を開始します。ゼミの仲間と相談しながら進めることで、自分一人では難しい課題にチャレンジできます。
◎4年生
卒業研究文を進めます。調査で得られたデータの分析、考察、論文執筆と進みます。一人で考えていると、途中何度も悩みますが、その悩みをゼミで共有し、みんなでブレイクスルーの方法を考えます。自分の研究がみんなの研究に、みんなの研究が自分の研究になっていく。ゼミのおかげで、多様で幅広い見識と思考力が身につきます。
普段のゼミの様子。ディスカッションをベースに、多様な意見を吸収します①
普段のゼミの様子。ディスカッションをベースに、多様な意見を吸収します②
◎プロジェクト
遠藤ゼミでは、個人の研究の他に複数名でプロジェクトチームを組み、さまざまな挑戦をしています。現在は3校の中学・高校と連携し、地方の学校や、インクルーシブ教育実践校で、生徒のキャリア支援をおこなっています。
大学生が自分たちで、学校長や理事長といったおとなたちに、ヒアリング、企画の提案、交渉、実施までおこないます。人や団体と協力することの大切さ、難しさ、そして楽しさを実感しながら、課題を発見し解決していく力を身につけます。重要なのは、お互いにとってメリットのある状況を考えること。難しいですが、社会に出るまでに身につけたい力です。
学外のおとなに認めてもらえるためには、本気で考え、本気でぶつかり、そして本気で認め合うことが不可欠。日々のゼミとプロジェクトのおかげで、遠藤ゼミの人間関係はとても濃くなります。つらいことも、楽しいことも分かち合える仲間ができる。それも遠藤ゼミの魅力の一つです。
公立中学校で校長先生に対して企画をプレゼン
富山県の高校でキャリアサポートプログラムを実施
伊豆大島にて、プログラム実施後、有名な地層を探索
富山県にて、春の日本海に大はしゃぎ
◎卒論合宿
ゼミのメインは卒論! 1月には、卒論の口述試験(4年生)、卒論構想発表(3年生)、卒論講評(2・3年生)の合宿を、都内(オリンピックセンター・代々木)でおこないます。4年生は、この日のためにがんばってきた! 全力を出し切ります。
ガチなディスカッションの合間に、たくさんのレクリエーション。スポーツ大会や、クイズ大会、かくれんぼ。リアル脱出ゲームは最近の先生のブームです。
卒業生もたくさん参加して(いつも差し入れありがとうございます!)、濃い3日間です。
卒論合宿にて口述試験。同期や後輩からの質疑応答に汗だく。
◎発達教育のゼミだから、教員になる人が多い??
統計を取っていないので正確なデータではありませんが、実際に教員になるのは全体の2割程度(各学年、1~3人程度)です。公務員、公共機関職員、教育業界なども合わせて半数弱を占めます。他には、金融、IT業界、専門商社など、進路は多様で、制限はありません。
2020年~2023年3月卒業生の主な進路(一部)
<メーカー・小売り・物流等>(株)日野自動車 (株)ファミリーマート (株)NTTロジスコ など
<教員> 高校教員(千葉県・東京都) 中学校教員(川崎市・相模原市) 小学校教員(東京都・横浜市)など
<公務員・公共機関職員> 横浜市役所 航空管制官 日本年金機構 など
<教育産業・学校> 学校法人河合塾(営業) 学校法人帝京大学(職員) (株)栄光 など
◎就職に向けた勉強会
発達教育領域では、授業では、産業や労働に触れる機会は多くありません。そのためゼミでは、年に1,2回、自分たちの学びを社会でどう活かすか考える「就活勉強会」があります。卒業生を招き、産業の仕組み、はたらくことと大学で学ぶことの関係などを話し合います。卒業生にとっても、これからどのような若者たちが労働市場に出てくるかを知る機会になります。
◎ゼミの活動と就職活動の関係(就活終了後のゼミ生からのメッセージ)
教育をテーマにする遠藤ゼミでは、直接「企業」「労働」について学ぶことはありません。しかしゼミでの経験は、就職活動で大きな強みになります。
「ゼミでの経験をESや面接で伝えると、とても興味をもってもらえました。私は富山の高校のプロジェクトを行いましたが、人と協力すること、相手のニーズを探ることなど、プロジェクトを通して学んだことを整理し伝えることができ、就活として良い結果も得られて、ゼミでの経験にとても感謝しています」(NHK・日本総研などから内定)
◎卒業後にふりかえるゼミの学び(卒業生からのメッセージ)
「会社には技術や営業、生産管理などいろんな立場の人がいるので、それぞれの考えを傾聴して、仕事の進め方をすり合わせることが重要です。学生時代、ゼミで同期や先生、先輩後輩たちとひたすらディスカッションを重ねた経験から、違う意見を聞くこと、相手の考えを読み取ることを学びました。ゼミのディスカッション前に自分の意見をまとめて提出し続けたおかげで、論理的に考える力、継続する力なども身についたと思います。またゼミでは、養護施設で暮らす子どもたちと関わりました。世の中には自分の想像できない環境で生きている人がいることを目の当たりにしたときの驚きは、今、自社がグローバル展開する中で、様々なバックグラウンドの人たちを否定せずに向き合う姿勢になっていると思います。」(株式会社東芝 勤続5年)
「大きな組織の中で働くのはしょうに合わない、と思っていたけれど、ゼミで身につけたチャレンジ精神を武器に、若いうちにしかできない挑戦と思って、今の会社に入りました。組織の論理に納得できないこともありますが、ゼミで「十人十色の考えがある」ということを徹底的に学び、自分とは違う考えもまずは否定せず耳を傾けるようになりました。対話を通してお互いの考えをすり合わせる楽しさも学んだおかげで、組織と自分の考えの違いを客観的に捉えたり面白がったりできていると思います。今でも年に数回はゼミの同期や先生と会って、わいわい話して、充実した時間を過ごしています」(株式会社リクルート 勤続3年)
「本音を言う、本音しか言わない愛情深い先生です。占い師ばりに学生一人ひとりを分析して、それぞれに何が必要かをいつも考えてくれます。」
「厳しく、楽しく、メリハリがあって、まじめな時はとことんまじめ、遊ぶときはとことん遊ぶ。ゼミ生と話すのが好き(特に恋愛の話)で、話すと面白いですが、親戚にいると面倒くさそうだな~って思います 笑」
「誰よりも本気で遊びます。ゼミ合宿のかくれんぼでは、絶対に見つからないゴミ箱裏にかくれていて、その本気度にゼミ生一同ドン引きしました。『このままでは遠藤ゼミは謎解きゼミになってしまう!』と本気で心配したこともあります 笑」
「最初の頃、叱られてばかりで、先生には嫌われてると思ってました。でも、卒論の何十枚もの原稿を、どんなに忙しいときに送っても、2,3日でコメントびっしり入れて返してくれて、学生のことを思ってないとできないことだなって、今は先生に感謝してます。」
コメントを寄せたゼミ生たち