キャリアデザイン学部の体験型選択必修科目に「キャリア体験学習(国際)」があります。
ベトナムと台湾の2つのクラスがあり、日本と関係の深いベトナム、台湾を事例にグローバルな視点からキャリアデザインを学んでいきます。学生は、春学期(事前指導)が終わった夏休みの期間を利用し、それぞれの現地に約2週間滞在して、提携している大学の学生との交流や関係機関でのインターンシップなど、さまざまな異文化理解・体験を行います。
しかし、残念ながら新型コロナウィルスの感染拡大により、2020年度以降の3年間は現地に渡航することはできなくなってしまいました。両クラスとも、日本国内での代替実習によって、多方面から考察を深める内容にスライドし、関係者の皆様のご協力とご支援によって、現地と関わりながら“異文化を体験”するプログラムを実践しています。
今回は、春学期に行われたオンライン交流会の一部をご紹介したいと思います。
ベトナムクラスは6月23日にベトナム・ホーチミン市のホーチミン工科大学、台湾クラスは5月30日に台北市の元智大学、どちらも日本語を学習している大学生と「日本語」によるオンライン交流会を行ないました。まずはお互いに自己紹介!その初期段階で…現地の大学生の流暢な「日本語」に圧倒されました。ベトナムの学生も、台湾の学生も、ほとんどが大学に入ってから日本語を学び始めた人たちですが、日本語で話すこと表現することに積極的で、マスクをしていてもはっきりと話し、声のトーンもしっかりして、ジェスチャー交じりで明るく素敵な笑顔が見えます。一方、シャイな当学部の学生は、練習したはずのベトナム語、中国語で挨拶をしましたが…、果たして現地の大学生に通じたでしょうか。(思いっきり緊張していたのかもしれません。)
国が違っても“同じ”大学生だなあ…と思うこともあれば、国が違うとこんなに“違う”のか…と感じることもありましたが、「通訳なし」の日本語による対話で、次第に緊張はほぐれ、楽しく和やかな交流の時間をもつことができました。」
~一部抜粋~
Q:大学が終わった後、何をしていますか?
A:日本側の学生
アルバイト(某クリニックの受付:休日前の17:00~24:00、時給1300円)
←ベトナムの学生はこのアルバイトの時間と時給額を聞いて大興奮。ベトナムは授業開始が午前6:45ととても早く(法政大学は8:50開始)夜間アルバイトは考えられない。
A:ベトナムの学生
勉強( 「日本の学生はアルバイトする時間があるのですか?」と逆に質問。つまり、学生は勉強をするもの、働いている暇はない…のだそうです。)
ちなみに、カレー屋でアルバイトしたことがあるというベトナムの学生によると、時給は約18,000ドン((2022、6月時点日本円で90円)だそうです。
A:台湾の学生
ゲーム(eスポーツと思われる。)
台湾では、アルバイトをしている学生もいますが、それでもベトナムと同様に大学生の本分は「学習」という考えが基本です。
Q:大学への通学方法は?
A:ベトナムも台湾も、ほとんどがバイク通学。(ベトナムと台湾のバイクの交通流量には目を見張ります。)
A:日本側の学生
市ヶ谷キャンパスでは都心部なので電車通学。
異文化理解とは、ベトナム料理や台湾料理を食べてその国を理解できるものではありません。「百聞は一見に如かず」、現地に滞在すれば体験できることでも、オンライン交流のように限られた時間で自分を表現するのは難しいと感じました。また、言葉はツールといいますが、ベトナム・台湾の学生からは「日本の大学生とお話がしたい!」という強い気持ちが伝わってきました。それに対し、日本側の学生は相手の出方や様子を見る傾向が強く、間違ってもいいから思い切って話そうとする勇気が少し足りないようにも感じました。しかし、この経験がきっかけとなり、積極性というエンジンがやっとかかって、分かりやすい日本語を使って、身近な話題について質問してみたり、わずかな時間の中でも「変化」が見られました。このオンライン交流は手始めです。もっと、もっと相手を知りたい、話をしてみたい、仲良くなりたいという気持ちになったようで、秋学期は、お互いの学生生活の動画紹介、国内の関連施設を訪問したりインターンシップを経験したりする予定です。
このように、「キャリア体験学習(国際)」は、現地につながる人々とコミュニケーションをとりながら、「いつでも出発できる」モチベーションで進めている熱いプログラムです