法政フォトジャーナル(2015年度)

人間環境学部 長谷川直哉教授ゼミ所属の学生が論文コンテストで最優秀賞を受賞

  • 2015年07月03日
法政フォトジャーナル(2015年度)

人間環境学部 長谷川直哉教授ゼミに所属する学生が「住友理工 学生小論文アワード」において、福屋実希子さん(リーダー)・久米祐梨子さん・小坂幸美さんのチームが最優秀賞、千嶌健太さん(リーダー)・島村安美さんのチームが優秀賞を受賞し、6月28日(土)の授賞式で表彰されました。※全員、3年生

同アワードは、大学生(学部生・院生)や留学生などが男女共同参画に関して与えられた課題に対し、小論文で研究力を競うコンテスト。今回は「これからの男女共同参画とは ―こんな会社で働きたい―」をテーマに応募された50本の小論文の中から、福屋さんらのチームは、働く人々の対等なパートナーシップを築くことが企業と社会のサステイナビリティを実現するうえで不可欠であるという指摘が評価され審査員の満場一致で最優秀賞に、千嶌さんらのチームは、社会問題となっている介護離職を取り上げ、固定的性別役割分担意識を払拭するフレキシブルな働き方の提案が評価され優秀賞に選ばれました。

「サステイナブル社会における企業と社会の関係」を研究する長谷川ゼミは日経STOCKリーグ(第13回は最優秀賞受賞)をはじめ各種コンテストに出場しており、今回も研究の一環として参加。長谷川教授は「知識を知恵に転換するにあたって、さまざまな知識を身に付けて体系化する作業は非常に有効。今回の経験も、新たな知恵への糧にしてもらえれば」と話します。

受賞コメント

■最優秀賞受賞:「働く人の対等なパートナーシップが築く男女協働参画社会を求めて ―企業理念と組織風土のリコンストラクション―」(リーダー 福屋実希子さん)

「最優秀賞を取れるとは思っていませんでした。ゼミで得たさまざまな経験を、チームメンバーがそれぞれの個性を生かしながら発揮できた結果だと感じています。

論文では女性の社会進出を男女“協働”の課題として再定義し、『株主、経営陣への意識改革』『男女優位型組織理念の変革』『女性の能力開発サポート』『センシブルな協働組織の構築』の4つの政策を提言しました。事前調査として、長谷川先生のご人脈で内閣府男女共同参画局の方々にお話を伺った際、男女共同参画は企業全体の問題であるという課題認識を抱いたからです。

研究は日経STOCKリーグでも用いた定量分析を行った上での定性評価を実施。予想以上に社員への支援制度が整っている会社が多く、定量分析での指標設定は難しさを感じましたが、だからこそ、発想力豊かな久米さんがアイデアをだし、小坂さんがさまざまな情報収集をして、私がまとめる――それぞれが得意分野を生かし、男性の働き方や意識にまで目を向けた提案ができました」

■優秀賞受賞:「女性の活躍を推進するレジリエンス・ワーク ―『家庭よし、企業よし、社会よし』を実現する働き方革命―」(リーダー 千嶌健太さん)

「私たちのチームは、同コンテストの募集要項に主催者・住友理工株式会社が働きやすさのリーディングカンパニーを目指すため、と書かれていたことと、一企業の課題は日本の全企業にも通ずるとの考えから、同社のCSR報告書分析をもとに介護離職について考察しました。

研究の上で感じたのはこの問題の根の深さです。支援制度を設けている企業は多いものの、育児支援制度等と比べても圧倒的に利用率が低く、介護問題の開示を懸念する風土が払拭できず社員の実態を把握できている企業が少ない。さらに、40代の有職者を対象とした調査では、介護問題に不安を感じる人は82%にまで及ぶのです。

政策提言では、再雇用や時間・場所にとらわれない就労など、サステイナブルな働き方である「レジリエンス・ワーク」を提案。論文の字数が1万字までの制限があったため、調査も提案も限られた範囲でしか表せられませんでしたが、内容が認められて受賞につながったことを嬉しく感じています」

関連リンク

左から、小坂さん、久米さん、福屋子さん、千嶌さん、島村さん、長谷川教授

左から、小坂さん、久米さん、福屋子さん、千嶌さん、島村さん、長谷川教授

6月28日(日)の授賞式にて

6月28日(日)の授賞式にて

授賞式で表彰状を受け取る最優秀賞チーム

授賞式で表彰状を受け取る最優秀賞チーム

主体的な姿勢で個性を生かし合った、最優秀賞チームのミーティング

主体的な姿勢で個性を生かし合った、最優秀賞チームのミーティング

受賞スピーチをする千嶌さん

受賞スピーチをする千嶌さん

千嶌さんと島村さんのチームが2人体制ながらも直接会って話し合うことを重視していた

千嶌さんと島村さんのチームが2人体制ながらも直接会って話し合うことを重視していた