ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)
前列左から、谷川てまりさん(3年)、金築優准教授、野沢瑠花さん(3年)、後列左から、 小畑駿さん(3年/ゼミ長)、川島治範さん(4年)、船木省吾さん(4年/ゼミ長) ※全員、現代福祉学部臨床心理学科
「カウンセリング技法の一つである、認知行動療法を学んでいます」と紹介してくれたのは、4年ゼミ長の船木さん。「不安や恐怖など、ネガティブな感情を感じたときに、どのような思考や行動をするのか。その癖を把握して、いい方向への変化を意識することで、気持ちを楽にする技法です。認知行動療法は種類がたくさんあるので、座学で知識を得るだけでなく、実践して効果を試しながら、体験的に学ぶことを重視しています」。
「まずは自分が関心を持てる身近なテーマから取り組み、効果を実感することで、認知行動療法を知ってほしい」と語る金築准教授。
ゼミの授業は、学年ごとに段階を踏んで学びを深めていきます。まず2年次では基礎知識を習得してから、グループ研究に着手。3年次からは、より詳しく療法を調べて体験するとともに、自分が手掛けたいテーマを模索し、4年次には個人研究を進めています。
「ゼミに参加して認知行動療法を学んだことで、自分の考え方の傾向が分かるようになりました」と語るのは野沢さん。「今までは不安を感じると、身動きが取れなくなったりしていましたが、落ち着いて考えられるようになりました。やがては、感情をコントロールする術を身につけてみたい」と期待を寄せます。
2年生がゼミに入ると、3年生との親睦会を毎年開催している
社会現象にもなっているSNSでの自撮りに関して研究を進めようとしているのは谷川さん。「自分を撮影するだけでなく、ネット上で公開しようとするのはなぜなのか。思春期の心の動きと関係があるのか、解析してみたいと思っています。先生からは科学的なアプローチを意識するようにアドバイスされているので、統計を取るなど、データ化する方法を考えています」。
「活動は学生主体で、主に話し合いで決めています。今までは学年ごとに分かれて行動することが多かったので、お互いの距離を縮めていけるように、今夏は初めての3学年合同での合宿を計画しました。認知行動療法の技法をみんなで体験できればと考えています」と語るのは、小畑さん。3年のゼミ長として、ゼミ活動の充実を図っています。
ゼミの活動から将来を見据えているのは、コンサルティング業界への就職が決まった川島さん。「専門的な知識を用いて問題解決に当たるという意味では、カウンセリングとコンサルティングは相通じると思います。ゼミで学んだ知識を生かして、顧客の思いに寄り添いながら、サポートができるようになりたい」と意欲に燃えます。
(初出:広報誌『法政』2018年10月号)
3年生のゼミは各自が関心の あるテーマのプレゼンテーションと ディスカッションを全員でやること に力を入れている
夏合宿でマインドフルネス瞑想を体験中