ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

実践的な授業体験を通じて英語の学習意欲を引き出す効果的な教育法を研究(GIS(グローバル教養学部)グローバル教養学科 小堀真知子准教授ゼミ)

  • 2019年06月04日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)
後列左から、神園咲綺さん、大友愛梨さん(ゼミ長)、野島拓海さん、前列左から、南明佑さん、小堀真知子准教授、辻珠緒さん ※全員4年

後列左から、神園咲綺さん、大友愛梨さん(ゼミ長)、野島拓海さん、前列左から、南明佑さん、小堀真知子准教授、辻珠緒さん ※全員4年

「英語を中心とした外国語を学習しようとする動機や、学習意欲の引き出し方について研究しています」とゼミ活動を紹介してくれたのは、ゼミ長の大友さん。英語教師を目指しているゼミ生も多く、大友さんもその一人です。「現在、中高生は何をモチベーションに英語を学ぶのかを調べる個人研究を進めています。教師を目指す上で、知っておきたいことが実践的に学べます」と笑顔を見せます。 

ゼミ活動では、まず文献を輪読しながら理論を学び、個々に研究テーマを探究。夏休みには、小堀准教授と縁のある多摩地区の小学校が開催するサマースクールに参加しています。「小学校低学年向けに、合計2時間程度の英語の授業をすることを想定して、授業計画案も自分たちで作っています」と語るのは、英語教育への興味から塾講師のアルバイト経験もある神園さん。「ベースになる指導案は先生から提示していただき、どのような内容なら楽しみながら学んでもらえるのか、時間配分も考えながら検討しました」。

その言葉にうなずき、「授業での子どもたちのリアクションのよさに驚きました」と顔をほころばせたのは、初めて英語を教える体験をしたという南さん。「子どもたちは想像以上に英語をよく知っていて、数字や色などは、すぐに英語で答えてスムーズに進行していくことに驚きました。視聴覚教材を使った教育効果にも興味があるので、もっと深く研究していきたい」と語ります。

ゼミでは車座になってお互いの顔を見ながら、文献の輪読で理解を深める

ゼミでは車座になってお互いの顔を見ながら、文献の輪読で理解を深める

「理論を知り、実践的な体験を糧にして、学びに生かしてほしい」と語る小堀准教授。サマースクールでの体験は、秋学期に時間をかけて授業計画案を改善することで生かします。アジア圏での英語教育を実地研修するために、春の合宿を台湾で実施したこともあるそうです。

「留学経験が乏しい自分にとって、GISへの入学はチャレンジでした」という辻さん。「新しく英語を学び始めた小中学生も、そのころの自分と同じように不安と楽しみを抱えていると思います。その気持ちを理解できるので、研究を深めていくことで応援していきたい」とゼミでの学びの意義を語ります。

教育行政にたずさわるべく勉強中だという野島さんは「ずっと教師になるつもりでしたが、よりよい教育を広めていくには、学習のガイドラインやカリキュラムから見直す必要があることに気付きました。
教育方針を決める仕事に携わって、根本から日本の英語教育を考えたい」と、未来を見据えて意欲に燃えます。

(初出:広報誌『法政』2019年4月号)

2月に開催した春合宿では、秋学期でじっくり練り上げた改訂版の授業計画案を実践。教材も手づくりで用意した

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台湾の小学校で、英語の授業をした実地研修。日本人が、母国語を使わずに英語を教える難しさを学んだ

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