ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)
「卒業コンパ」では毎年、4年生が竹口教授に感謝し号泣する場面が見られるほど満足度の高い活動が行われている竹口ゼミ。財務諸表分析や企業価値評価などさまざまな手法を用いて企業活動を考察しています。
研究対象は産業全域。「だからこそ海外も含めた市場全体から隠れた優良内資企業を発掘しようと試みました」と昨秋の研究を振り返るのは後藤さんです。4人グループで日米欧の上場企業のべ10万社を利益率算出や業界動向調査などにより分析。「日本は業界内に企業数が多いほど利益率が低くなる傾向を明らかにし、飲食業界で唯一、利益率が平均の倍近い企業を見つけ出せました」
ゼミは春学期、夏期、秋学期と1年を3期に分け、グループワークを中心に文献講読や個人研究も織り交ぜながら段階的に学ぶ仕組み。副ゼミ長の福森さんは「竹口先生が企業で働いた経験をもとに、私たちが社会に出て活躍できるスキルを磨ける仕組みを施してくださっているのです。特に秋学期のグループワークは2・3年生混合で行うため、さまざまな立場からチーム運営を学べます」と話します。
活動が多彩なため、春休みの短期間を除いては1年を通してハード。「卒業時に『やり遂げた』と感じられるような活動をしたかった」と入ゼミの理由を語る植田さんは「想像通りでしたが、大変だと思ったことはありません。メリハリをつけて取り組めますし、1期で1テーマという設定で達成感を得ながらこなしていけるからです」と言います。
1年の最後には研究発表の場も設けられています。田中さんは昨年12月、学部主催のプレゼンテーション大会にチームで出場。「毎週の発表も含め、こうした機会があることで人前に立つことにも前向きな姿勢で臨めるようになりました。研究で磨いてきた数字を用いて産業構造を読み解いていくスキルとともに、卒業後に希望している営業職で生かしていきたい」と将来に目を輝かせます。
「少しのきっかけで人生は大きく変わることがあります。潜在能力を持つ学生たちの飛躍を、ゼミを通じて後押しできたら」と竹口教授。
ゼミ長の佐藤さんは「竹口先生はこれ以上ないと言い切れるほど学生を思ってくれる先生。だから縦のつながりも強く、卒業生の方々も私たち現役生をご指導くださいます。知識や思考力のみならず、ゼミ活動全体を通じて人としての厚みも増せたように思います」と自らの成長を感じています。
(初出:広報誌『法政』2016年度4月号)