ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

財務諸表の分析を通じて企業活動の本質に迫る(経営学部経営学科 坂上学教授ゼミ)

  • 2015年01月22日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

“よく遊び、よく学べ”ゼミ合宿は必ず海外へ

前列左から、森谷仁美さん(ゼミ長・3年)、坂上学教授、花田裕保さん(入ゼミ係・3年)。後列左から、小松亮太さん(庶務・経営戦略学科3年)、白石将基さん(庶務・4年)、寺田隼太さん(前ゼミ長・4年)。※ 小松さん以外全員、経営学科

前列左から、森谷仁美さん(ゼミ長・3年)、坂上学教授、花田裕保さん(入ゼミ係・3年)。後列左から、小松亮太さん(庶務・経営戦略学科3年)、白石将基さん(庶務・4年)、寺田隼太さん(前ゼミ長・4年)。※ 小松さん以外全員、経営学科

事業者の活動を経済面から映し出す会計学。坂上ゼミでは「卒業時に一人で財務諸表を読みこなせるようになること」を目標に、テキストの輪読と実際の財務諸表分析を通じて企業活動の考察を行っています。

「例えば、最近取り組んだのは“財務諸表の数値と株価は連動しているのか”」と説明する前ゼミ長の寺田さん。「ファイナンスや統計学の知識も必要とされますが、分析を進めると広告などから受ける企業の印象と実経営との違いや、売上高だけでは測れない経営の健全性などが見えてくることもあります」と、実務的なゼミでの学びを話します。

「会計学は、一商品や意図的な切り口ではなく、また、財務諸表という同じ土俵のもとで企業活動全体が明確に表され、マーケティング以上に客観的な企業分析ができるのです」と、入ゼミの理由にもなったその魅力を語る花田さん。ゼミ生たちは「ただ、貸借対照表や損益計算書は当然理解できているものとして、年度開始からいきなり応用編で始まるので、当初難しくはありますが」と苦笑いを浮かべます。

毎年恒例の海外でのゼミ合宿。今年はグアム。レクリエーションが中心だが、「ほとんどの場所で日本語が通じて驚きました」(ゼミ生)など、現場で体感することを大切にしている

毎年恒例の海外でのゼミ合宿。今年はグアム。レクリエーションが中心だが、「ほとんどの場所で日本語が通じて驚きました」(ゼミ生)など、現場で体感することを大切にしている

学んだ知識は3年次の秋学期に日経ストックリーグ出場でアウトプットし、4年次の卒業論文で集成。銀行から内定を得ている白石さんは、卒論で就職先企業と競合行との20年分の財務諸表を使った比較分析を試みています。「調査量は膨大で、資金を貸し出す役割を担う銀行は資産と負債が一般的な企業と反対になる特殊性もある。4年生になった今も学ぶことばかりですが、ゼミ生同士助け合える雰囲気があるから研究にも積極的になれます」と、自身も庶務係としてゼミの環境づくりに一翼を担っています。

「それに、ゼミ生は課外活動でも何かに目的意識を持って取り組んでいる人ばかりなんですよ」と紹介する小松さん。「坂上先生がよく下さるアドバイスの一つが『アウフヘーベン』(※)。私自身、ゼミ研究のほかに体育会部活動と公務員試験も行っていますが、すべてに全力で取り組むことで、それぞれの質も向上できていると思います」。坂上ゼミは、現役での公認会計士合格者も輩出しています。

「ゼミのスローガンは“よく遊び、よく学べ”。合宿は毎年海外にも行っています。坂上ゼミなら一人では躊躇してしまう経験を積むこともできますよ」とゼミ長の森谷さん。

坂上教授は「ゼミでの約束はただ一つ、ゼミには必ず出席すること。それぞれが何かしらゼミでの楽しみを見つけ、そこから財務諸表をもって語れる人間になってくれれば嬉しいですね」と、温かいまなざしでゼミ生を見守ります。

※アウフヘーベンとは、対立・矛盾する2つの命題を、一段上の概念となる総命題を用いて解へ導くこと。

(初出:広報誌『法政』2014年度12月号)

毎週2時限を使って行っているサブゼミ。秋学期は日経STOCKリーグ出場に向けて実施。今年は2チームに分かれ、初の入賞に向けて取り組んでいる

毎週2時限を使って行っているサブゼミ。秋学期は日経STOCKリーグ出場に向けて実施。今年は2チームに分かれ、初の入賞に向けて取り組んでいる

「事あるごとに開催している」という食事会。「坂上先生はいつも私たちを温かく受け止めてくださるので、坂上先生がいらっしゃってこそ、食事会も盛り上がります」とゼミ生たち

「事あるごとに開催している」という食事会。「坂上先生はいつも私たちを温かく受け止めてくださるので、坂上先生がいらっしゃってこそ、食事会も盛り上がります」とゼミ生たち