ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

模擬裁判とディベートで民法と交錯する刑法問題を研究(法学部法律学科 須藤純正教授ゼミ)

  • 2014年02月27日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

感情論も取り入れることで真の正義を問い直す

前列左から、加藤雅人さん(ゼミ長・3年)、須藤教授、根本萌花さん(野球係・3年)。後列左から、毛利優樹さん(合宿係・4年)、亀田奈央子さん(元ゼミ長・4年)、二子石有佑さん(野球係・4年)

前列左から、加藤雅人さん(ゼミ長・3年)、須藤教授、根本萌花さん(野球係・3年)。後列左から、毛利優樹さん(合宿係・4年)、亀田奈央子さん(元ゼミ長・4年)、二子石有佑さん(野球係・4年)

民法と交錯する刑法の諸問題を研究している須藤ゼミ。ゼミ生主体で具体的な裁判例を素材とした模擬裁判とディベートに取り組んでいます。

模擬裁判は3年生中心で裁判官・検察官・弁護人・証人など各役割を担い、一連の手続を実施。公判のみならず、争点を絞り込む公判前整理手続や、公判後の裁判員評議、判決まで行います。シナリオがある訳ではないため、「証人の立て方や理論の落とし込みで、主張を有効に展開できるのが模擬裁判の面白さ」と根本萌花さん。「一つの裁判にかかる6週間超は、寝る間も惜しむほどやることはたくさんありますが」と笑います。

一方、「判例のディベートは、いわば論理ゲーム」とその魅力を話すのは、幼い頃から警察官を目指し、仕事に生かしたいと入ゼミした二子石有佑さん。ゼミ生全員が賛否2つのグループに分かれて議論していきますが、「明らかに結論が想像できる場合に、敢えて自らの考えとは反対側に回るのが議論の楽しみ方の一つ」。不利な立場の方の思いや社会への負の影響など、「意識が及んでいなかった視点に気づくことができます」と言います。

「ゼミ中はいつもニコニコしている」とゼミ生から慕われる須藤教授(前列中程)を囲んで。「現役弁護士でもあるのに自由な議論をさせてくださるのは、先生の懐の深さ」とゼミ生たち

「ゼミ中はいつもニコニコしている」とゼミ生から慕われる須藤教授(前列中程)を囲んで。「現役弁護士でもあるのに自由な議論をさせてくださるのは、先生の懐の深さ」とゼミ生たち

「模擬裁判が創造性を養うとすれば、ディベートは論理的な思考力を鍛えることができます」と元ゼミ長の亀田奈央子さん。多角的な法律の学びを通し社会構造を理解できたことで、複数社の内定を獲得しました。納得のいく進路を決定できたことは、「感情論も許されるんです」と話す須藤ゼミならではの特徴も一因。「感情も含めて他者から理解を得るには、相手の話を聞き、人間性や価値観を見抜く洞察力が不可欠です」。企業担当者を通し、企業風土を汲み取ってきました。

「刑法は専門知識が多少乏しくても議論できるので、恐れるに足りません。ゼミでは学生だからこそできる豊かな発想を大切にしてほしいと思っています」と、元検察官であり、現役弁護士でもある須藤教授。

法曹を輩出し、議論では六法を用いることもある須藤ゼミですが、弁護士を目指す毛利優樹さんも、感情もあらわに争論するほどの強い個性の多彩さに惹かれて入ゼミしました。「一般に言われる正義が真の正義とは限りません。さまざまな価値観に触れることで、あらゆる立場の方の権利や命の保護に貢献していきたい」と将来に目を輝かせます。

「みな個性的ではありながら、学年問わず仲が良いんですよ」とゼミ長の加藤雅人さん。「激しい論争に入ゼミ当初は圧倒されるかもしれませんが、先輩方が全力で議論参加をサポートしてくれる習慣があるので、コミュニケーション力、プレゼンテーション力も身に付きますよ」

模擬裁判での証人尋問の様子。傍聴側のゼミ生もみな熱心に参加する。須藤ゼミでは、ゼミ生一人ひとりが何かしらの役職を担うことで学生主体のゼミ運営を実現している

模擬裁判での証人尋問の様子。傍聴側のゼミ生もみな熱心に参加する。須藤ゼミでは、ゼミ生一人ひとりが何かしらの役職を担うことで学生主体のゼミ運営を実現している

いじめ問題や死亡債の許否についてグループディスカッションした夏合宿。議題はゼミ生からの希望を入れ、アップ・ツー・デートな問題を考察している

いじめ問題や死亡債の許否についてグループディスカッションした夏合宿。議題はゼミ生からの希望を入れ、アップ・ツー・デートな問題を考察している