ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

真のWIN-WINとは何か 国際協力を多角的視点で紐解く(国際文化学部 松本悟准教授ゼミ)

  • 2013年07月18日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

理論×実践で研究 実務家による特別講義も

長年フィリピンで開発問題に取り組んできたNGO職員の方に現地での活動内容をお話しいただいた特別講義。海外経験の長い松本教授のネットワークを活かして年3回開催

長年フィリピンで開発問題に取り組んできたNGO職員の方に現地での活動内容をお話しいただいた特別講義。海外経験の長い松本教授のネットワークを活かして年3回開催

ゼミ設立の2012年度末、次年度の入ゼミ説明会で早くも80人もの参加学生を集め話題となった松本ゼミ。NGOやODA、民間企業への支援、ボランティア活動など異なる組織体制や支援形態による「国際協力」を総合的に考察しています。

「“良い事”というイメージだった国際協力に支援の不均等や搾取など負の側面があると学んだ時は衝撃でした」と話すのは久保田葵さん。入ゼミ当初に研究テーマ「カンボジアの観光産業による経済成長戦略」が決まり、3年生の夏休みには早くも独自の現地調査も行いました。

机上の空論で終わらない研究を追求し、卒業論文には実証的裏づけ調査を課しています。「ゼミの輪読では軸を設けて議論することで国際協力の体系的把握と複眼的思考ができるようになるので、調査の自信になります」とゼミ長の藤田稜さん。「失敗例から見る国際協力の比較」という逆説的なテーマに挑み、「内定した製菓メーカーでも仕事を通じて国際協力に貢献したい」と目を輝かせます。

ゼミ授業ではそのほか、国際機関で勤務経験がある研究者をはじめ、実務経験者を招いた特別講義も実施しています。「“本物”を知ることで自らの価値観を明確化できました」という副ゼミ長の都志侑希さんは、プライベートでも70カ国・地域の人々と交流した経験の持ち主。改めて日本の豊かさに気づき「日本で生きてこられた恩恵を途上国への貢献という形で返したい」とNGOの設立を目指しています。

NHK記者やNGO代表など松本教授の豊富な経験と人間関係により、フィリピンで開催予定の今夏合宿では政府関係者へのインタビューも予定。「フィリピンのストリートチルドレン」を研究する副ゼミ長の沢木麻衣さんは特に合宿を楽しみにする一人ですが、何よりも「松本先生がゼミ生のことを本気で想ってくださっていることが嬉しい」と話します。「将来も応用可能な多角的視点を実践力も含めて習得できるよう、一人ひとりの志向性や体験を考えてくださっているんです」と、副ゼミ長だからこそ知り得た松本教授の一面を披露します。

「成長の源は学生自身の中にあります。それぞれの個性を引き出していきたい」と松本教授が見守る中、2年目の松本ゼミは更なる発展を模索しています。