ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

正解のない地球環境問題に経済的アプローチで挑む(経済学部経済学科 松波淳也教授ゼミ)

  • 2013年05月09日
ゼミ・研究室紹介(2019年度以前)

他大学との「インゼミ」で環境問題に対する視座を築く

廃棄物処理、地球温暖化、生物多様性保全…今や私たちの生活と切り離せなくなった地球環境問題。松波ゼミは、経済的アプローチから解決を図る環境経済学について研究しています。最大の特徴は、毎年11月に開催している他大学2校との研究発表会「インターゼミ」(以下、インゼミ)。ゼミ生は年度はじめに5~7人構成の班に分かれ、それぞれが課題設定から調査研究、解決策提示まで取り組んでいきます。

「通常のゼミはテキストの輪読で、インゼミは主に学生主体のサブゼミで進めています。ですが、通常のゼミと同じくらいみんな真剣です」とゼミ代表の長田富美さん。経済学部の環境系ゼミで唯一インゼミを持つ松波ゼミの存在を大切にしているのだと言います。

2012年度は3つの班による研究が行われました。東日本大震災の被災地を対象に先端技術で省資源化した社会・スマートシティを構想した「環境未来都市」、多様なエネルギーの最適な供給バランスを考察した「エネルギーベストミックス」、そして国内未導入エネルギーの供給可能性についての「未利用エネルギー」です。「環境未来都市」班は夏休みに被災地での調査も実施。同班の中里悠夏さんは「印象深かったのは、外部の人と被災地の方々との理想像の乖離です。現地の方の声を伺えたことで実際的な研究に近づけ、インゼミでも大きな反響をいただきました」と披露。「エネルギーベストミックス」班の稲熊達哉さんは、「正解は一つではなく、何を『ベスト』とするのかに苦労しました。だからこそ、環境問題の解決には経済的視点が欠かせないと改めて気づきました」と言い、その背景には松波教授の温かいサポートがあったのだと加えます。

「松波先生はゼミや授業では厳しいですが、普段は年の離れた先輩のような存在。フレンドリーに接してくださいます」とゼミ生たち。雰囲気の良さにひかれて松波ゼミに入ったという内田由花さんは「先輩方も後輩である私たちに話しかけてくれるので意見を出しやすく、みんなで一つの目標に向かって楽しみながら高め合う、ゼミならではの経験を培えます」。

インゼミ以外にレクリエーションやOBOG会とイベントも豊富。「遊ぶ時は遊ぶからこそ研究にも打ち込めます。調査力、プレゼン力、コミュニケーション力、積極性…松波ゼミで得られることは数えきれません」と話すゼミ代表の細谷尚平さんは、「インゼミでの研究をそれぞれがブラッシュアップさせ、僕たちの学年で法政大学懸賞論文受賞者を出したいと思っています」と次の目標に、早くも目を輝かせています。

前列左から、長田富美さん(現代ビジネス学科3 年・ゼミ代表)、松波淳也教授、細谷尚平さん(経済学科3 年・ ゼミ代表)。後列左から、稲熊達哉さん(現代ビジネス学科3 年)、中里悠夏さん(経済学科3 年)、内田由花さん(同 3 年)

前列左から、長田富美さん(現代ビジネス学科3 年・ゼミ代表)、松波淳也教授、細谷尚平さん(経済学科3 年・ ゼミ代表)。後列左から、稲熊達哉さん(現代ビジネス学科3 年)、中里悠夏さん(経済学科3 年)、内田由花さん(同 3 年)

昨年のインゼミでの集合写真。他大学の発表を見ることで、 自らの研究も客観視できる機会になるそう。松波ゼミはこの 他、毎年10 月に本学経済学部環境ゼミの合同研究会にも参加

昨年のインゼミでの集合写真。他大学の発表を見ることで、 自らの研究も客観視できる機会になるそう。松波ゼミはこの 他、毎年10 月に本学経済学部環境ゼミの合同研究会にも参加

自主的活動ながら全員が毎週必ず参加し、調査の上で意見を 交換するサブゼミ。調査は学内資料にとどまらず、英語訳さ れた海外の文献も取り寄せて行っているそう

自主的活動ながら全員が毎週必ず参加し、調査の上で意見を 交換するサブゼミ。調査は学内資料にとどまらず、英語訳さ れた海外の文献も取り寄せて行っているそう

3月上旬に開いたゼミ合宿での集合写真。合宿では卓球大会 を開催するのが恒例行事。松波教授の親しみやすい一面が見 えるひと時

3月上旬に開いたゼミ合宿での集合写真。合宿では卓球大会 を開催するのが恒例行事。松波教授の親しみやすい一面が見 えるひと時